長く冷たい秋 (ハヤカワ・ミステリ文庫 リ 3-1)
長く冷たい秋 (ハヤカワ・ミステリ文庫 リ 3-1) / 感想・レビュー
seacalf
【偏愛注意】ミステリーばかり読み耽っていた学生時代に大好きだったシリーズ。なぜか登録漏れしていたので再読。大変地味な作品だが読んでいる時間は自分にとって至福の時間。主人公クーパーはベトナム時代の傷を心の奥に抱えたタクシー運転手。何気なく目にした新聞記事に大学時代に恋焦がれていた女性の自殺を知るところから始まる。決してスーパーマンではないクーパーに人間味を感じて好感が持てる。読んでいると物語が静かに染み込んでくるような感覚は初めて読んだ数十年前から変わらず、それがとても嬉しい。自分にとって物凄く大切な作品。
2021/05/16
goro@80.7
昔好きだった人が自殺したとは信じられないベトナム帰りのタクシードライバーのクーパー。彼女の息子と共に真相を探り出すと命を狙われる。サム・リーブスの文章が適度な湿り気で心地よい。自分からは何もしてやれないもどかしさと哀愁のあるラスト。パーカー「初秋」とはまた違った味わいのある作品でした。
2018/11/18
GaGa
随分前にでていたシリーズ小説ながら、なかなかの良作。ハードボイルド小説の主人公がタクシーの運転手と言うのも新鮮。全体的にくすんだ感のある表現も(これは翻訳者の手柄か)とてもいい。ともあれ、こういう話日本のテレビドラマに多くあるような気がする。出来れば多くの方に読んでいただきたい。
2013/01/29
komaneko
再読♪ 主人公クーパーは戦争体験者で、実はバトルフィールドが恋しいという「Sherlock」のジョンの様な現状。で、元(?)ダメ男。だけど息子がいるのかも?!と思った途端、大人になれたのかも。 邦訳がすばらしい。美しい文章が流れるハードボイルド。 しかしベトナム後の米国って、ホント戦争体験のストレスにさいなまれる人が多かったんだなって、色々な小説の中で、そう思う。それは米国だけじゃないだろうけど。原題は「A Long Cold Fall」。美しいタイトルだ。
2016/10/01
けいちゃっぷ
リーヴス選手は初打席でいきなりホームランをかっ飛ばしたかのようです。それほど読み応え十分のデビュー作でした。犯人捜しと親子の物語。ラストは涙腺がゆるんだみたい。いいものを読ませてもらいました。500ページ
2011/01/20
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