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第三の嘘 (ハヤカワepi文庫 ク 2-3)

第三の嘘 (ハヤカワepi文庫 ク 2-3)

第三の嘘 (ハヤカワepi文庫 ク 2-3)

作家
アゴタ・クリストフ
堀茂樹
出版社
早川書房
発売日
2002-03-15
ISBN
9784151200168
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第三の嘘 (ハヤカワepi文庫 ク 2-3) / 感想・レビュー

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ヴェネツィア

クラウス、リュカの物語が完結した。『悪童日記』を書いた当初、おそらく作者には3部作の構想はなかっただろう。あの作品1作で十分に完結性を持っていたからだ。ところが、それに続く2作が書かれることによって、それ自体で完結していたはずのものが、たちまち混沌とした様相を帯びてくる。では、これらの作品を3作を通したメタ・フィクションとして見ればどうか。そこに浮かび上がってくるのは、故郷との断絶であり、自らのアイデンティティの不確かさである。後に残るのは、両親の、兄弟の、サラの愛もすべてを喪失した寂寥感だけだ。

2012/11/26

青乃108号

読む程に不安になる、今読んでいる物語は本当か、嘘なのか。信じて読み込むと嘘に騙され、どうせまた嘘なんだからと話半分に読んでたらどうやら今度は本当らしいぞ、と。しかしやっぱり、やっぱり嘘なのか。タイトルが【第三の嘘】この本自体全部嘘か。そして第1部が第一の嘘、第2部が第二の嘘、というわけか。でも、全話通しで読んで楽しかったよ。良かったと、俺はおもうよ。

2022/04/15

遥かなる想い

「悪童日記」から始まる三部作の完結編である。 双子の辿った人生が語られる。 ひどく 物悲しく読めるのは、作者の意図なのだろうか? リュカとクラウスの真実が錯綜し、混乱するが …最後に明かされる真実は ひどく 哀しく 残酷なものだった。

2019/05/14

tama

図書館本 前二作から引き続いて。うむ~ 一体どこまでが彼(ら)の創作だったのか。見捨てられた思いが第一作を作り、二組の母子を死なせたのは敵討ちの象徴か?二作目は残った彼の、町での生活を書く。前作と父の死が違うらしいことも。三作目で残った彼の生活や父の死すら違うと書かれる。だんだん意識にかかった靄が晴れるように。最も晴れた意識で書かれたのは恐らく最後の一言では。少なくともこのシリーズがミステリーでも反戦でもないことははっきりした。文体が好きになってしまった。

2014/11/18

はっせー

アゴタ・クリストフの3部作のフィナーレ。正直頭を思いっきり小説という鈍器で殴られた感覚のある作品であった!リュカとクラウス。彼らの物語であるが、正直この3部作目で今までの前提が少しずつ変わっていく。これ以上書くとネタバレになりそうになる。この本は戦前と戦後という混沌の時代を小説という形をとって表現している。暴力だったりイジメだったり差別であったりそして嘘であったり。混沌の時代をしる作者だからこそ描けるものである。海外文学が苦手な人でも十分に楽しめるし勉強になると思う。皆さんもぜひ読んでみてください!

2022/04/14

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