邪悪の家 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)
邪悪の家 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫) / 感想・レビュー
W-G
超有名作品というわけでもなく、オススメに出てくることもあまり無いが、かなり面白かった。クリスティの持ち味が存分に発揮されている一冊。わざとらしさを覆い隠せておらず、なんとなく真相の見当がついつしまうのは弱点であるが、予定調和であろうと、ちゃんとラストで爽快感を与える描き方をしており、そこが他の本格作家が持ち得ないクリスティだけのエンターテイメント性。彼女が描く犯罪者は、そのほとんどが狡猾であり、解決編まではその真の姿を見せない。その変容が好きでクリスティ作品を読んでいる方にはかなりオススメ。
2021/04/09
kaizen@名古屋de朝活読書会
本書を読むまでは、殺人後に問題を解決する探偵はすごいと思っていました。 しかし、未然に殺人を防げない探偵ほど、なさけないものはないことが分りました。 偉そうにしていても、人命一人を防ぐ能力の方が、 殺人者を探す能力よりも、価値があることがわかりました。 ポアロに対する尊敬の念や、 ポアロの偉そうな口ぶりの、 弱点が分りました。 偉そうにしていても、人命を守れない探偵。 クリスティの描きたかったことが分ったような気がしました。
2012/07/18
セウテス
〔再読〕タイトルから、クローズドサークルに感じますが違います。ヘイスティングズが語り手に戻っており、青列車の事件の後である事が分かります。他社で「エンドハウスの怪事件」と、紹介されていますのでご注意を。実は登場人物たちが全員、怪しい言動をとります。おかげでポアロは推理に右往左往するのですが、この謎が最後に解かれて幕が下りる頃には、不思議と心地好い気持ちになります。なのに何故本編の評価が今一つなのか、それは犯人が簡単に分かってしまう事です。本作のプロットは、今では多くの作品が使っている有名な考えなのですが。
2015/02/02
キムチ
殺人事件は一つだけなんです。でも「邪悪な」心を持つ人がいる邪悪の雰囲気をあっちこっちで語らせ、積み上げる割には、その邪悪がなかなか見えてこない。おまけにA~Jまでのリストで読者をけむに巻いてからの収斂がだまされている様な感じ。ドラマではミスレモンが降霊術をしていたけど、原作の方がすっきり。又原作以上にドラマではマギーが地味・・影薄すぎ。犯人にインパクトを置く為かな。もっともポアロを共謀者に仕立て上げようともくろんだだけあるからね。犯人がマギーに抱いた憎しみは女ゆえの情念より金にあると思ったけど違うかな。
2019/07/28
yu
Kindleにて読了。ポアロシリーズ。これは犯人分からない。今回も最後まで綺麗に騙されました。ポアロもかなり後半まで騙されてたぐらいだから、いたしかたない。
2018/05/06
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