杉の柩 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)
杉の柩 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫) / 感想・レビュー
W-G
物語として面白いとは思う。ただ、私の知識不足もあるが、この手の犯人の設定、当時の警察でもちょっと調べればわかるんじゃないのか?と思ってしまう。ていうか、関係者の背景を探ってる様子が無さ過ぎて、都合良くない?とどうしても感じる。エリノアの心理描写や、ロディの時代を超越した駄目っぷりや、爽やかに演出されたラストなど、ミステリの骨格以外の部分で読ませるタイプの作品。好人物っぽく描かれているピーター医師の思い込みの激しさも相当なもので、実はダメンズな予感が匂っていて、結末の後を想像すると面白い。
2018/05/16
カムイ
【アガサ・クリスティ文庫第19幕】純粋にミステリーとして良く出来ていた、有名どころの【オリエント…】や【そして誰…】よりも楽しめた、冒頭と終盤の裁判劇は今迄のポアロシリーズにはない控えめではあるが無実を証明するポアロはヤッパリ、ポアロでした前半は会話やセリフにハーレクインぽっさがあり、ン〜?何処までこれを引っ張って行くのかな〜て思いながらそれでもクリスティーだから色んな所にヒントを散りばめているのだろうと!手紙の部分は3度読みしてネタが隠されてないかと目を皿にしていました、そしたらあるではありませんか!→
2021/09/11
糸車
友人がクリスティ作品の面白さが分からないと言っていた。彼女からしたら推理ものとしてはもひとつなんだそう。じゃあどうしてわたしはクリスティが好きなんだろうと考えたら、要するに推理よりも、登場する恋人たちの物語が好きなんだということに気づいた。中でもこれはお気に入りの作品。主人公のエリノアの気高さや病人に示す気遣い、館に勤めている人に対する態度など、どれをとっても「つぼ」でした。しめくくりに高潔さゆえに苦悩する彼女が幸せになれそうなエピソードが用意されていて、こっそりその先を妄想しました。ポアロ、グッジョブ。
2013/04/28
tonnura007
エリノアと婚約者ロディーは叔母の財産が狙われているという匿名の手紙を受け取る。間もなく叔母は亡くなるが遺言がないため全財産はエリノアが受け取ることに。しかし、叔母の世話をしていたメアリイに恋をしたロディーとは婚約破棄となる。その後メアリイが毒殺され嫌疑がエリノアにかけられる。 ポアロもの。本作はプロットの秀逸さが光る。恋仇を毒殺したようにしか見えない単純な状況から、少しずつ情報が開示されて展開していく。ポアロが少しずつ真相に辿り着く過程がよい。登場人物の人間性や感情の表現も豊か。
2024/11/13
Tanaka9999
今回の本は入りきれず流し読みのようになってしまった。 登場人物は把握できていたが、話の流れはよくわからず。 犯人がわからないのは、いつものパターンだが、最後まで読んでも答えがよくわからなかった。
2018/05/23
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