死者のあやまち (ハヤカワ文庫 クリスティー文庫 27)
死者のあやまち (ハヤカワ文庫 クリスティー文庫 27) / 感想・レビュー
Kircheis
★★★★★ お祭り中に無害そうな少女が殺され、同時に富豪の美人妻が失踪する。そして、それらをポアロが解決するお話。 真相は少しぶっ飛んでいて読者が推理するには不親切な気もするが、個人的には許容範囲。まぁ自分は気付けませんでした(笑) 犯人はいっそ清々しいほどのゲス野郎。ここのところ同情の余地無しの犯人が続いているなぁ。 相変わらずオリヴァ夫人が出てくるとコミカルになる。さもアル中かのような噂を流され、怒るオリヴァ夫人はクリスティ自身を投影してる?
2019/02/10
こーた
著者の分身=アリアドニ・オリヴァ夫人によって書かれた、余興としての〈小説〉。死体役の少女がほんとうに殺され、屋敷の夫人は失踪する。クリスティーが小説の内へ入りこみ、その世界の〈現実〉を取りこんで創作した〈虚構〉が、くるっと反転してふたたび〈現実〉の事件となって襲いかかってくる構造が愉しい。美しい田園風景と、それを求めてやってくる観光客。彼らを疎ましくおもう住民の言動には、英国人の排外主義が垣間見えておもしろい。土地と会話の内に巧みに織りこまれたパズルのピースを、外国人のポアロが正しい場所へはめこんでいく。
2023/05/23
aoringo
お祭りのゲーム中に少女の死体が発見される。今回はオリヴァ夫人が登場。最後のポアロの謎解きまで犯人も動機も分からなかった。でも、これはそうとう想像力豊かな人でないと解けないのでは。でも読み終わってみるとちゃんと伏線も張ってあるし、しっかりミステリの形となっていてさすがクリスティでした。
2020/01/22
いっくん
ポアロ長編27作目。オリヴァ夫人のお誘いでナス屋敷へ向かったポアロ。お祭りで、犯人探しの殺人の余興が行われて…。其々、みんなが違うこと言うから!印象って人其々違うから、ある人は馬鹿だと言うけど、ある人は実はしっかり者みたいに言うし、一体どれが本当なのか翻弄されてました。目眩しが巧み過ぎて、トンチンカンな方向に行ってたけど、真相がわかってから読み返してみると、大胆な伏線にしてやられた感でいっぱいです。面白かった(^_^*)
2017/05/13
財布にジャック
犯人にもかなりビックリしましたが、隠された真実を知って唖然としてしまいました。前半の方で一見無駄なくだりに感じられた文章が、全て伏線だったことを最後の最後に知り、もう一度読み返したくなりました。ポアロも苦戦していた謎解きでしたが、これはポアロより先に謎を解ける人がいたら、尊敬に値するほどの難敵でした。それにしても、許しがたい犯人で読後感が悪いです。
2013/09/06
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