秘密機関 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)
秘密機関 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫) / 感想・レビュー
ヴェネツィア
ポアロでもミス・マープルでもない、クリスティのもう一つのシリーズ。トミーとタペンスが繰り広げるスパイ小説の第1作。本編は読者がクリスティのファンであるかどうかによって読み方や評価が変わってくるように思われる。すなわち、ファンならば、二人の行動は若々しく邪気のない魅力に溢れて見えるだろう。私からすれば、それはあまりにも軽率だ。彼らが無事なのは、敵側があまりにも間が抜けているからに過ぎないのだが。そもそもブラウン氏は恐るべき相手ではなかったのか。また、二人にとって万事が都合よく展開しすぎるのにも不満を残す。
2016/10/10
遥かなる想い
クリスティには珍しい スパイ冒険小説。 ポアロ、マープルシリーズ とは違う味わいがある。 クリスティ31歳の時の 本らしいが、気のせいか 物語も若々しく、トミー とタペンスのコンビも 対照的で、気持ち良い。 英国の極秘条約文書を 探す冒険…やや強引な 気がする真実も、トミーと タペンスのキャラで許される気がする、おおらかな物語だった。
2015/08/30
absinthe
若い男女二人の冒険家による秘密文書の奪還のお話。推理小説の大家が書いた冒険小説第一弾、トミー&タペンス。アガサクリスティといえば推理物が有名だが、元気いっぱいの冒険小説を描いた。若い二人が素人スパイとして失われた機密文書を追うのだが。破天荒なお転婆ぶりを見せるヒロインが痛快。ヒロインとタイプは反対だが欠点を補ってくれる彼氏とは良いコンビ。殺人の推理やら追いつ追われつ大追跡あれば格闘も。若さ溢れる書きっぷり。
2021/12/10
nobby
トミー&タペンス①クリスティーによる冒険小説とは興味津々、これまさにアドベンチャー&ラブロマンスを堪能♬とにかく疾走感ハンパない展開と、ドキドキしてエモい場面の数々が映像で押し寄せるのがスゴい!現実的で慎重な青年と、常識には劣るが直観力に秀でた乙女、年をあわせて四十五にもならない若き二人の抜群のコンビネーションが魅力いっぱい!何やら世界を揺るがす国家機密に関わる沈没船上から始まるプロローグからもう引き込まれる。それぞれの活躍にピンチに、黒幕の二転三転からの大逆転!そんでもってノロケで終わるとはお見事(笑)
2020/07/28
ゆのん
400冊目。再読。かなり久しぶりのトミー&タペンス。タペンスのじゃじゃ馬ぶりが大好き。それに比べてトミーはおとなしい感じがするがタペンスの手綱さばきは彼にしか出来ないだろう。最高のコンビだ。ポアロやマープルは(いい意味で)曲者だがトミー&タペンスは私の中では高感度の高いシリーズ。ミステリーに加えアドベンチャー要素も感じられるこの作品はお気に入りの一つだ。
2018/02/04
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