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未完の肖像 (ハヤカワ文庫 クリスティー文庫 77)

未完の肖像 (ハヤカワ文庫 クリスティー文庫 77)

未完の肖像 (ハヤカワ文庫 クリスティー文庫 77)

作家
アガサ・クリスティー
Agatha Christie
中村妙子
出版社
早川書房
発売日
2004-01-01
ISBN
9784151300776
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未完の肖像 (ハヤカワ文庫 クリスティー文庫 77) / 感想・レビュー

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yumiha

メアリ・ウェストマコット名義作品。主人公シーリアの向こうにクリスティーが透けて見えるような気がした。たとえば幼児期や少女期のシーリアの遊びの描写は、とても生き生きしていて、特に想像上の人物を作りだして物語を楽しんでいる姿は、クリスティーの思い出そのものではないか?と深読みしてしまった。また、実母が亡くなった時期に夫ダーモットが恋人を作って家を出て行った場面も、失踪前のクリスティーが追い込まれた状況そのものだと思う。そんな自分を客観的に第三者の目で見つめ直し乗り越えるために書かざるを得なかった作品だと思う。

2022/01/28

優希

切なかったです。内気なシーリアの恋の物語。婚約者がいながらも、婚約を破棄してまでダーモットの元へ走るのが情熱的に感じました。しかし、夢見がちなシーモアと現実主義のダーモットがうまくいくわけがないですよね。段々亀裂が入っていくのが辛かったです。愛に敗れる孤独が刺さる作品でした。

2024/01/08

花乃雪音

メアリ・ウェストマコット名義で書かれたアガサ・クリスティー自身がモデルと考えられる主人公シーリアの半生を描かれている。シーリアの魅力がわからなかったため、なぜ彼女がもてるのか理解できず、ただ読み進めるだけだったがシーリアが妊娠してから急に面白くなったので、ここから先を書くための小説なのだとわかった。

2020/11/30

Tanaka9999

未完の肖像。ミステリーではなく、ロマンス小説。解説や他の人の感想を見ていると、作者のクリスティと重ねてみることができるとのこと。私はなんとなくそのような見方がしなくて(できなくて)、当時の女性と半生記として。社交とか女性の結婚相手の選び方とか結構よくある話なんだろうなぁ、と。

2020/03/05

歩月るな

二作目。「そして二人は結婚し、いつまでも幸せに暮らしました。めでたしめでたし」結婚から想起されるイメージと言うのはいつもこれで、そして結婚すればいつまでも幸せに暮らせる事と常にイコールで結ばれる事、言いたくはないが終盤の幼いころに幸福過ぎて人生には賢くなれなかったと言う事がひしひしと迫ってくる。これもとびっきりの誘鬱小説である。今更言うまでもない作者の予備知識抜きに読めばまた違うかもだが、もう一人の影が浮かんでくるのは必然と言うか、中々追い払えない。『マノン・レスコー』でも読んでるみたいな苛々はあるかも。

2018/02/13

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