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五匹の子豚 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

五匹の子豚 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

五匹の子豚 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

作家
アガサ・クリスティー
山本やよい
出版社
早川書房
発売日
2010-11-10
ISBN
9784151310218
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五匹の子豚 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫) / 感想・レビュー

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W-G

クイーンの『フォックス家の殺人』と似た構図。中学生の時に、クリスティを離れる原因になったのが、『五匹の子豚』『もの言えぬ証人』『ヒッコリーロードの殺人』を連読した事だった。しかし『アガサクリスティ完全攻略』ではヒッコリー~以外の2作はかなりの好評価。改めて読むと相当面白かった訳だが、中学生の頃は、関係者との対話×5+回想手記×5、の途中経過が単調で苦痛だったのか。あと、当時はこの作品、童謡殺人の範疇で語られており、それを期待して失望が大きくなった。解決編で視界が反転するような感覚はさすがクリスティ。

2016/07/23

nobby

なるほど!やはり名作と評される所以は伊達じゃない!最後でのポアロの独壇場は猛烈に気付かされる伏線やら描写に何度と嘆息繰り返すばかり!何より16年前の事件を物的証拠無いままに掘り起こすのがまたスゴい!マザー・グース童謡の歌詞から五匹の子豚(関係者)に絞り、客観的な視点、本人の言葉、そして各々の手記と重ねて過去を徐々に呼び起こす。毒殺犯人への疑いは揺るがないものの長年の恋慕・最愛の姉に向ける無念あるいは芸術家・男への憤怒が段々と表出するのが生々しい。その真相掴みかけたと思ってたけど、そこは女王が数段上手(笑)

2020/04/28

bookkeeper

★★★★☆ 初読。資産家の画家が毒殺され、妻が逮捕されて獄中で亡くなった。16年前の悲劇の調査を依頼されたポアロ。画家の親友・薬草の研究者・浮気相手の娘・お転婆な妹と家庭教師…5人の証言から辿り着く真相は。  証拠品も現場も年月と共に失われ、あるのは当時の関係者達の記憶と裁判の記録のみ。極めて限られた材料しか与えられないハンデをポアロが如何に覆すかがミステリの核。過ぎ去ってしまった苦い過去への郷愁だったり後悔が良いしれぬ味わいだ。「若さには何かがありますな、ムッシュ・ポアロ。何かとても-心を打つものが」

2024/03/30

stobe1904

【ポワロシリーズ長編】妻が夫を毒殺したとされた16年前の事件を関係者の回想と手記からポワロが真相を明らかにする。クリスティー作品の中でも高い評価を得ているだけあって、解決に至る収束具合はさすがなもの。本格ミステリとして素晴らしい出来栄え。★★★★☆

2018/06/23

🐾Yoko Omoto🐾

16年前に夫を毒殺した罪で裁きを受けた女性の娘が、その真偽の再調査をポアロに依頼する。事件の主要関係者による証言と手記のみが頼りでありながら、事件前後の様々な出来事を多視点から捉えた時に生じる矛盾点や齟齬を、各人の性格や当時の心理を分析しながら重要な事柄のみを確実に拾い上げていく名推理に圧倒された。芸術家という非凡な才能と最後の作品、悲劇的ともいえる勘違い、制御できない感情や嫉妬心などが織り成す人間ドラマとしても一級品。「私の成功の基礎となっているのは心理の探究です」ポアロの実力が遺憾なく発揮された傑作。

2015/02/04

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