カーテン(クリスティー文庫) (ハヤカワ文庫 クリスティー文庫 33)
カーテン(クリスティー文庫) (ハヤカワ文庫 クリスティー文庫 33) / 感想・レビュー
夢追人009
これは実は相当に切ない話なのですが、ポアロの道化師的な性格のお陰で極力悲しみを感じさせないようにとクリスティー女史が配慮されているのでしょうね。本書の趣向はバーナビー・ロス(エラリー・クイーン)の「レーン最後の事件」とほぼ同じで巨匠と呼ばれる作家は似たような事を考えられるものなのですね。処でクリスティー女史がこの結末を選んだ理由は自らの死後にポアロのパロディーを書かせない為だったらしいですが最近遂に生前のポアロの事件簿という形で出版されてしまい何ともお気の毒ですが今は天国でさぞご立腹だろうなと思いますね。
涼
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2021/09/post-791b87.html 「スタイルズ荘」で登場し、「スタイルズ荘」で退場したポワロ。 【スタイルズ荘の怪事件」再読の要ありかもしれません。
2021/09/26
きゅっぷりん
ポアロ最後の作品 舞台はデビュー作と同じスタイルズ荘 ポアロ作品たくさんの未読がある中 つい先日『スタイルズ荘の怪事件』を再読し記憶の新しいままポアロ最後の今作へギャップを楽しもうと初読... しかしこの最後の作品を読んだ事に正直後悔 ツマラナイ等の理由ではない ネタバレになるので言えませんが... 個人的には『そして誰も... 』以上の衝撃 未読の方にはポアロの他作品を全て読み終わってからこの作品に手をつける事をお勧めします もし読むとしても何の情報も入れずに読んでいただきたい
2020/12/01
aoringo
ポアロ最後の事件。ヘイスティングとの最初の事件であるスタイルズ荘が舞台。何を書いてもネタバレになってしまいそうで感想が難しい...歳をとってもポアロのヘイスティングに対する丁寧なのに失礼な態度は相変わらず、面白い。これまでのシリーズとは全く異色な作品だと思いながら読んでいたが、その結末は衝撃だった。好きな作家は?と聞かれると「アガサ・クリスティ」と答える私だけど、今作でクリスティの人間心理に対する洞察力、観察力は本当に素晴らしいなと改めて感じ入りました。まだまだ未読の作品が残っ→
2021/11/12
saga
【友人蔵書】ポアロ最後の事件である。書名が謎ときには有効ではない不思議。病気のために体の自由を失ったポアロ。友人・ヘイスティングズをスタイルズ荘へ呼び寄せ、凶悪な殺人鬼を追い詰め、捕まえようとするが、安楽椅子探偵とは少し趣向が違う面白さがある。ポアロの死後、ヘイスティングズに残した手記が、なんと生き生き(?)していたことか。……しかし、なぜ友人は『ナイルに死す』と本書を貸してくれたのか? それが最大の謎だ(笑)
2020/11/04
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