秘密機関(ハヤカワ文庫―クリスティー文庫) (ハヤカワ文庫 クリスティー文庫 47)
秘密機関(ハヤカワ文庫―クリスティー文庫) (ハヤカワ文庫 クリスティー文庫 47) / 感想・レビュー
まふ
トミーとタペンスシリーズ冒険小説初刊。豪華客船ルシタニア号沈没の際に見知らぬ人から国家秘密文書を託されたジェーン・フィンが行方不明になる。この行方を追う英国諜報部のカーターの依頼により米国人の若者トミーとタペンスが国家転覆を狙う秘密組織に食い込む。米国大富豪の息子ジュリアスや王室顧問弁護士のエジャートン卿が加わり、悪の組織に立ち向かうがその結末は意外や意外…。後半のアクション場面はアガサの別の面を見せて手に汗を握る(!)展開だった。ただし、さすがに残酷場面はほとんどなく「優しいサスペンス」。G1000。
2023/03/16
扉のこちら側
2016年886冊め。【219/G1000】トミーとタペンスという男女のコンビが活躍するクリスティ初期の作品。1冊めのこちらが31歳で刊行、5冊めでの完結が83歳という驚きの息の長さ。二人が再開してコンビ結成する冒頭と、二人の新たな冒険、作中表現でいうところの「スポーツ」に取り組もうとする終わり方は面白かったけれど、肝心のミステリとしてはご都合主義的展開で惜しい。
2016/10/25
セウテス
トミーとタペンスシリーズ第1弾。実はアガサ・クリスティ氏の長編第2作目であり、初の冒険小説です。戦争が終わって巡り会った主人公の二人は、お金を稼ぐために会社を立ち上げます。偶然から英国諜報部の依頼を受けて、行方不明の女性と機密文書を探す事に。しかし二人の前には、正体不明の敵ブラウンと組織の手が迫っていた。ポアロやマープルとは、とにかくスピード感が違う。次々と切り替わる場面に、ピンチや難問がどんどん二人に押し寄せる。謎の男ブラウンは、いったい誰なのか。最後まで解らない展開に、さすがアガサだと唸ってしまった。
2015/12/12
ken_sakura
面白い(^。^)第一次世界大戦後の英国。幼馴染、戦時中に再会、再び物語中で再会した失業中の若い二人トミー(男)とタペンス(女)はお金が欲しいので会社を作る。名はヤングアドベンチャラーズ。何でもやりますと起業広告する前に大戦中の秘密文書の尻尾を踏んで政府から非合法な依頼が舞い込む。コメディが少し香る大丈夫感満載なスパイ冒険小説。魅力的な二人。二人がコンビである。そのとてもしっくりとくる感じがとても良かった。つまり秘密文書とか謎の人物ブラウンとか途中でどうでもよくなって、二人の振る舞いを楽しく読んだ(^_^)
2019/04/27
Tanaka9999
2011年発行、早川書房のクリスティー文庫。解説は杉江松恋(ミステリ書評家)。結構おもしろくて一気に読めた。冒険小説として優秀なのだろう。トミーとタペンスともに機転が利いていてやるなぁ、という感じである。登場人物も比較的少なくてよい。謎のブラウン氏の正体もそれほど無理がないかな。@
2021/07/09
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