渡辺えり子 (1) 光る時間/月夜の道化師 (ハヤカワ演劇文庫 12)
渡辺えり子 (1) 光る時間/月夜の道化師 (ハヤカワ演劇文庫 12) / 感想・レビュー
ヴェネツィア
女優の渡辺えり子さんが劇作家でもあったことは本書を読むまで知らなかった。著者プロフィールによると、そればかりか、劇団の主宰者でもあり、演出家もこなす1人4役だそうだ。なんたるヴァイタリティ。身体全体からパワーが漲るようだ。さて、「光る時間」だが、この劇はけっしてタイトルから想像するような栄光に満ちたものではない。過去と現在とが交錯しながら劇が展開し、「約束の時」の意味が明かされてゆく。そして、エンディングで、私たち観客はしみじみとした感動的に浸ることになる。「月夜の道化師」の方は、戯曲ではわかりにくい。
2014/05/17
あらき
戯曲として面白いのは『光の時間』。よく練られているし密度があったので、読んでいて泣きそうになった。『時の道化師』は立体的に演出がつけば面白いのかなあと思う。
2020/11/15
Tan Tan
二作品掲載されているのですが、なんか渡辺えり子さんの中にある過去のトラウマ的なものに向き合うような形にして自分の中のものを昇華しているような感じになった本でした。
2017/02/05
純粋印象批評宣言
「光る時間」はセールスマンの死に見られるような現在と過去が交錯する手法を上手く用いたなかなかの傑作だった。「月夜の道化師」はどうも中途半端な印象を受けた
2011/05/05
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