幻の特装本 (ハヤカワ・ミステリ文庫 タ 2-2)
幻の特装本 (ハヤカワ・ミステリ文庫 タ 2-2) / 感想・レビュー
セウテス
古書店主クリフシリーズ第2弾。クリフは、ポー氏の「大鴉」の幻の特装本を盗んだ女性を、連れ戻して欲しいと依頼される。しかし、その特装本を追って行くと、連続殺人事件の姿が浮かび上がってくる。シリーズ2作目なのに前作からの繋がりが薄く、私は残念で仕方がない。アメリカの古書の価値と、自分の古書に対する価値観には、大いなる違いが在ると認識。多少クリフのハードボイルドを意識したひねくれた会話には、普通で良いかなと感じているが読みやすさは絶品です。ただし前半で登場したヒロインや適役が、後半では影が薄いなどの疑問は残る。
2018/04/05
藤月はな(灯れ松明の火)
クリフは相性の悪い元同僚に古書を盗んだ女の確保を依頼される。古書の正体は書誌に記録のないの1969年の限定版ポーの「大鴉」。しかし、女、エノリアは錯乱して逃亡、元同僚は依頼者から暴行を受け、クリフも殺人の容疑者に仕立て上げられてしまう。そして次第に明らかになる印刷を請け負った兄弟の関係、古書愛好家の不審な死、腐乱死体の発見、エノリアの母の過去。才能が有りながら分を弁えるのが職人。しかし、職人が職人たる一線を越えることは幸より不幸を招く。刑事でありながら古書師としても有望なクィンタナが好きになりそうです。
2013/02/24
ぶんこ
題名に惹かれて読み始めましたが、汚い言葉、ハードボイルドが苦手。 特装本についての記述まではと、頑張ろうとしましたが、図書館からの本自体の古さ、汚さに気力もダウン。
2014/07/05
ケロリーヌ@ベルばら同盟
元警察官の古書店主クリフのシリーズ第2弾。ポーの詩篇「大鴉」を、装幀から活字、インクの濃淡に到るまで全てこだわり抜いて、極少部数出版された『幻の特装本』。その本を巡る事件の被疑者の移送を依頼されたクリフは、仕事の内容に不信感を抱きながらも、本好きの性には抗えず、雨が降り続くシアトルに飛び、謎と暴力の渦中に巻き込まれる。一冊の本が創り出される過程が興味深く描かれ、前作同様、価値ある本を掘り出す醍醐味も満載。ヒネた中年を標榜しつつも、結構情に脆く、公正な商売をするクリフが魅力的で、読み続けて行きたいシリーズ。
2018/07/12
RIN
古書店主クリフシリーズ第二作。一作目はまだ「元警官」を引きずっていたが、本作では古書店主らしい物腰が板についてきているw。これは探偵物語だなあ。著者2作目だが、女性の描き方がツボに嵌っている。どの女性も個性的で賢くて素敵。それにしても、第一作といい、どれだけ一期一会な人生なんだ。シリーズレギュラー脇役は3作以降も出てこないのだろうか。
2012/02/27
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