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あなたに不利な証拠として (ハヤカワ・ミステリ文庫 ト 5-1)

あなたに不利な証拠として (ハヤカワ・ミステリ文庫 ト 5-1)

あなたに不利な証拠として (ハヤカワ・ミステリ文庫 ト 5-1)

作家
ローリー・リン ドラモンド
Laurie Lynn Drummound
駒月雅子
出版社
早川書房
発売日
2008-03-01
ISBN
9784151776014
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あなたに不利な証拠として (ハヤカワ・ミステリ文庫 ト 5-1) / 感想・レビュー

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ケイ

アメリカの女性警官5人について、その警察官としての生き方を淡々と描く。少し離れてみた視線で、その仕事のツラさ、覚悟、そして判断の難しい状況に置かれた彼女たちの様子が書かれる。いわゆるミステリーや警察小説とは明らかに違い、全体的にモノクロな感じ。

2014/06/07

セウテス

女性警察官を主人公においた連作短編。警察小説であり、ミステリーと言うよりは純文学に近い。警察官としての日常を淡々と描いていますが、そこは私達とは違う日常の緊張感を、遺体の様子や拳銃の重みなどを表現して、巧みに伝えようとしています。女性である事、命の危険に向き合う仕事であるのに、世の中の体制として彼女らに当たり前の事が寄り添っていない。その中で高い意識を持って仕事をこなそうとする彼女らの、心の機微が良く分かり、たまらない気持ちになる。警察小説を読む以上、こうした現実にしっかりと目を向ける事は大切だと感じる。

2016/08/18

いちろく

紹介していただいた本。ページを捲る前に「ハヤカワ・ミステリ文庫」からミステリの印象があったので、良い意味で裏切られた。ページを捲る度に、警察機構に所属する女性達の「職務における日常」を描いた作品へと印象が変わった。 あまりにも当たり前の様に表現される世界観に、何故このような作品が描けるのか?と浮かんだ疑問も、著者自身が婦人警官としての勤務歴がある事を知り、納得出来た事も多々。職務における内面の描かれ方が、単なる職業小説とは一線を画している。

2017/12/27

*maru*

読み手の心をグリグリ抉り掻き回すような語り口。一切無駄がなく淡々としているのに、ちゃんと血の通った文章と言えば伝わるだろうか。5人の女性警察官を主人公とした短編集だが、ミステリー要素は薄い。その時何が起きたのか、あるいはその後どうなったのか…人生の歩み、人生そのものを描いた作品だった。同性が主人公なので共感できる部分もあるが、正直まだちゃんと咀嚼しきれてはいない。解説で池上氏も書いているように、読了後『完全』を読み返したくなる。『完全』『制圧』『傷痕』『生きている死者』が特に心に残った。

2019/11/27

タツ フカガワ

表題はミランダ警告の一節で、5人の女性警察官が主人公の、ちょっと異色の警察小説の短篇集(著者は元警察官のキャリアもあり)。パトロール課や交通課の制服警官ながら、彼女たちが遭遇する銃社会アメリカにおける警察官の危うい環境がとにかく生々しい。そうしたなかで職に殉じる者、つまずく者、ある決断を迫られる者たちのドラマがこれまた濃密。なかでも「キャサリン」と「サラ」の章がとてもよかった。

2023/02/23

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