現代短篇の名手たち7 やさしい小さな手(ハヤカワ・ミステリ文庫) (ハヤカワ・ミステリ文庫 ケ 5-7 現代短篇の名手たち 7)
現代短篇の名手たち7 やさしい小さな手(ハヤカワ・ミステリ文庫) (ハヤカワ・ミステリ文庫 ケ 5-7 現代短篇の名手たち 7)
- 作家
- 出版社
- 早川書房
- 発売日
- 2009-12-30
- ISBN
- 9784151782572
現代短篇の名手たち7 やさしい小さな手(ハヤカワ・ミステリ文庫) (ハヤカワ・ミステリ文庫 ケ 5-7 現代短篇の名手たち 7) / 感想・レビュー
紅はこべ
最初の5編がスポーツもの(野球、テニス、ゴルフ、バスケ、ボクシング)、ラスト4編がスカダーもの、後はノンシリーズ。男女関係の話が多かったな。ブロックは最近ケラーものしか読んでいなかったので、こんなにエロエロとは知らなかった。スカダーってこんなに悪徳系の警官だったっけ。地の文より会話で話を進める方が得意のようだ。速球投手を怒らせるのはやめましょう。「情欲について話せば」はエロ系カンタベリー物語。「ノックしないで」は女性心理を描いた佳品。
2016/08/11
Tetchy
早川書房の文庫企画「現代短編の名手たち」シリーズにブロックが選ばれ刊行されたのが本書。名手の名に恥じない傑作が揃っている。特徴的なのは全体的にブラックなテイストに満ちていることだ。さて個人的ベストを挙げるとするとやはり本編で一番長い「情欲について話せば」になろうか。短編4つ分のネタが放り込まれた内容はもとより、トランプゲームに興じる警官、軍人、医者、司祭と云う奇妙な取り合わせが寓話めいていて奇妙な印象を残す。「ノックしないで」も捨てがたい。いやはややはりブロックは短編も読ませると再認識した。
2016/06/05
Panzer Leader
スポーツもの、情欲に囚われた人々を描いた作品、スカダーもの等バラエティーに富んだ短編集。プロテニスを舞台にした「怒れるトミー・ターヒューン」はジョン・マッケンローとブルック・シールズ(テイタム・オニールではなく)をモデルにして書いたんだろうなと思わせる。中編「情欲について」は各登場人物が語る4件の事件は1件だけで長編が書けてしまえるような濃い内容の作品。決してハッピーエンドで終わる作品ではないけれど、二日酔いをしないアルコールを飲んだ様な読後感でした。
2015/12/30
KAZOO
好きなミステリー作家のひとりでマット・スカダーシリーズは欠かさず読んでいます。この本にも入っていますが。この作者の特徴なのでしょうが全体的にあまりべたっとしないでさらりという感じが好きです。この本には短編14編が収められていますが、野球、テニス、ゴルフなどスポーツに絡むものが多く楽しめました。
2014/05/17
ニミッツクラス
09年の本体1000円の初版。大事な積読本にとうとう手を付けてしまった。ケラーやスカダーの方のブロック。本書には14編収録で、概ねEnough Ropeからの抽出だが日本オリジナルのようだ。ブロックお得意のスポーツ物5編、スカダー物(こいつが嬉しい)4編が含まれている。自分はウエストレイク(=スターク)タッチの「三人まとめてサイドポケットに」の、相手を死ぬほど(文字通り)後悔させる話が好きだ。スカダーの4作目は幕間劇のようでエレインとの時間がたゆたう。巻末の解説と作品リストも丁寧で良い。★★★★☆☆
2017/01/25
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