悪童日記 (ハヤカワ・ノヴェルズ)
悪童日記 (ハヤカワ・ノヴェルズ) / 感想・レビュー
文庫フリーク@灯れ松明の火
時代こそ第二次世界大戦末期~戦後の数年間、ハンガリーの田舎町と訳者あとがきにあるが、石井光太氏のノンフィクション-現代の戦禍でストリートチルドレンとなった子供にも生きる「生活」があるように、この時代を生き延びようとする双子の兄弟の、実際の日誌を盗み見る感覚。肉親であれ、他者に頼ることなく、人生を左右されることなく「生きる」ため、ドライに、したたかに、その知恵を働かせる二人。愛された記憶に、言葉に、感情を揺らすことの無いよう鍛錬するのは、「生き延びる」ため必要だから。盗む・脅迫する・嘘をつく・殺す。→
2014/07/15
ちょこまーぶる
「恐ろしさ」と「切なさ」を感じてしまった一冊でした。戦時下の子どもが生き抜くためには道徳的な規律に反した行動を自ら肯定せざる得ないという状況に追い込んでしまう戦争に対して憎悪を覚えました。そして、読みながら戦争をして誰が得を得るのか?という疑問がもやもやと浮かんできてしょうがなかったです。でも、子ども達とおばあさんの関係が少しずつ暖かくなっていく過程に僕は喜びを感じましたね。この本は、読み手の感じ方が様々違って良い本のような気もしますし、読んだ時に感じたことを自己論議してみる価値がある本だと思いました。
2017/10/15
tama
図書館本 この映画の原作と知って⇒http://akudou-movie.com/ 。凄い。WWⅡ末期のドイツ占領下ハンガリーでのお話。残酷・性的描写がないわけではないが「無機質」。感傷的記述ゼロ。訳者が後書きで「子供に読ませられない子供の本」というのに納得。お話開始直後から主人公二人の行動選択原因(理由ではない)がよくわからないままに「客観的結果」のみで疾走し、あっという間にこの巻読了。早速2巻目「ふたりの証拠」を借りてきたが「何が彼らをそうさせるのか」果たして私に読み取れるかどうか・・・。
2014/11/07
財布にジャック
この終わり方は反則ではないでしょうか?このラストでは続きを読まなくては、気になって仕方が無いので、明日にでも本屋へ走ります。それにしても、読むのが辛かった。戦争の陰の部分をこれでもかって見せられてしまうので、テンション高い時でないと最後まで読めないと思われます。世界でベストセラー、ロングセラーはうなずけます。
2010/06/28
KAZOO
何度目かの再読です。映画を見たのでまた読んでみました。映画は比較的小説に忠実な感じでした。ただ本を読んでいるときのほうが、乾いたような感じがしてあまり残酷さも感じないで読めました。その点でいくと実写のほうが、感情移入していくような気がします。
2014/10/17
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