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ふたりの証拠 (ハヤカワ・ノヴェルズ)

ふたりの証拠 (ハヤカワ・ノヴェルズ)

ふたりの証拠 (ハヤカワ・ノヴェルズ)

作家
アゴタ・クリストフ
堀茂樹
出版社
早川書房
発売日
1991-11-01
ISBN
9784152077295
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ふたりの証拠 (ハヤカワ・ノヴェルズ) / 感想・レビュー

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文庫フリーク@灯れ松明の火

祖母から「悪魔の子」と呼ばれた双子のぼくら。国境の地雷地帯、父を先行させることで、安全なルートを辿り、父の屍超えて双子の一人は国境を越えた。祖母の家に残った片割れ-リュカの物語として幕を開けた物語は、近親相姦の果てに、生まれつき障害を持つ子、マティアス・その母ヤスミーヌと暮らし始めた時から徐々に『悪童日記』との違和感が育ち始める。「双子の悪童」が通った書店の主人すら、リュカの兄弟の存在を語ることは無い。『悪童日記』爆撃で亡くなった母と赤子の骸骨と、一緒に揺れるマティアス。リュカが学童用ノートに書き込んだ→

2014/08/14

nakanaka

前作の「悪童日記」から間を置かず読めたのは良かったです。前作の衝撃に負けず劣らずの内容で満足でした。今回は日記調ではないので双子の名前がリュカとクラウスであることが明らかになります。今作ではリュカと彼を取り巻く人々を中心とした内容になっており、クラウスについては存在自体が曖昧なものとして描かれていますが最終的には謎が謎を呼ぶような終わり方でこれまた次作が気になります。必要以上に説明や描写を省略した小説なのに読者を惹きつけてしまうその文章力に脱帽です。すごい作家さんだなぁ。

2018/09/14

James Hayashi

終わり方は前作と同様驚きのあるものであった。しかしストーリーの組み立てはごく一般的なものであり意外性は少ない。前作の戦中という殺伐とした雰囲気とも異なり、どことなく脚が地についていない感じで、名前の明かされたリュカ(Lucas)のその後を描いている。そしてもう1人の双子の(Claus)の帰国で結末に至るが、この後を追いたくなると思ったら3部作の結末があるそうで。

2017/01/13

祖母の家に残った双子の片割れリュカの物語。前作より文章がマイルドになったこともあって、表面的なインパクトは減少したように感じる。しかし、物語の面白さ自体は全く変わっておらず、終盤の怒涛の展開には読後しばらく呆然としてしまった。最後の最後に読者を思考の迷路に放りこんでくれる、(いい意味で)とんでもない本だ。

2014/12/26

ひなきち

前作『悪童日記』とはすっかり様相が変わっていた。謎が謎を呼ぶ展開で…なに一つ先が見えない。予想もできない。そして、今回も気になるところで終わってしまったよ…。人間のアイデンティティーとはなんぞや…。突き詰めたいような…突き詰めたくないような。相変わらず、「普通じゃない」のオンパレードで小気味が良い。気になるアノ人のその後を知ることができた。ヴィクトールの生涯は…切なかったが、格言があって身につまされた。

2017/08/16

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