安全ネットを突き抜けて (ハヤカワ・ノヴェルズ)
安全ネットを突き抜けて (ハヤカワ・ノヴェルズ) / 感想・レビュー
ベック
本書には11の短編が収録されている。特に気に入ったのは「ソールとパッツィもミシガンで落ち着き始めた」、「トーク・ショー」、「白内障」、「グリフォン」、「ヒューロン河畔のある日曜日午後遅く」かな。特に「グリフォン」には不思議な魅力がある。ある日やってきた代理教師が巻きおこす静かな狂気。といえば少し大袈裟か。幼い生徒たちはまことに心穏やかならぬ経験をする。ラストに配されている「ヒューロン~」もピクニック場にやってくるさまざまな人々をスケッチしただけの作品群だが、妙に心に残る。
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