異邦人たちの慰め (ハヤカワ・ノヴェルズ)
異邦人たちの慰め (ハヤカワ・ノヴェルズ) / 感想・レビュー
どんぐり
マキューアンの初期の作品。若い男女のカップルが観光で訪れたヴェネツィア(と思われる観光地)で、不可思議な夫婦と出会ったことによって事件に巻きこまれていくダークな世界。狭い通りや路地を歩く男女がまるで迷路に入り込み、死の国を彷徨っているかのような幻想的な場面がいくつか登場する。異国で異邦人を簡単に信じちゃ駄目だという教訓なのか、グロテスクな結末が待っている。『迷宮のヴェニス』のタイトルで1990年にポール・シュレーダー監督によって映画化されているが、まだ観たことはない。
2017/07/17
画伯
○ マキューアンはめんどくさい。めんどくさい細かい描写がずっと、何ともヌメッとなめらかにすべっていくのを読み追っていくのはめんどくさいんです。ほんと最後まで何かが起きそうで起きない、ほんとに起きないのかどうなのかわからない、そして読み終わると何かが起こってた、そういう塩梅。意味がわからないというのとも少し違うんだけど、なんだかよくわからなくて最後の数ページをもう一度読み返しても、やっぱり最初に読んだのと同じ文字がそこに並んでいて、何も読み落としていないのに、何かがすり抜けているような。初体験の作風。好き
2015/04/19
刳森伸一
ベネチアを彷彿させる街で休暇中のカップルが奇妙な夫婦に出会って…という感じのサスペンスタッチの小説で、少しエロチック。カップル間の関係や夫婦間の関係が独特で、それらの関係を通して男女間のあり方などが問われている。しかし、その問いと物語(のオチ)との関連性が読みとれず、(小説自体は面白いとは思うのだが)腑に落ちない。
2017/10/12
もつ
居心地のいい納まりの悪さっていうか。
2015/03/11
punk1978
途中まですごく退屈で、読むのに時間を要してしまった。マキューアン作品としては低評価。
2013/04/15
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