くるぐる使い
くるぐる使い / 感想・レビュー
ワッピー
今更のオーケン初読。両親を事故で亡くした兄妹の葛藤「キラキラと輝くもの」、懐古的で妖しい見世物ののぞきからくり「くるぐる使い」、悪霊が憑依した娘の前に現れたヘンなエクソシスト「憑かれたな」、目立たない中学生の妄想と異世界「春陽綺談」、壮絶ないじめを受けた女子中生の壮大な復讐「のの子の復讐ジグジグ」および「糸井重里・大規ケンヂ、超常現象と「ヘン」を語る」を収録。悲哀も微苦笑もカタルシスも取りそろった作品集ですが、若さゆえの鬱屈と出口のないエネルギーの奔流は共通。対談の翌年にあのサリン事件が起きたのでした。
2021/02/03
橘
面白かったです。「くるぐる使い」は昔に読んだ記憶が薄っすらとありましたが、今回きちんと読めてよかったです。どのお話も狂った感じが良くて、特に「キラキラと輝くもの」と「くるぐる使い」が好きでした。「春陽綺談」も、江戸川乱歩大好きなので嬉しい。悪夢を思わせるパノラマ島のような場所の描写がたまらなかったです。
2016/07/22
ひなきち
再読。オカルトちっくで、読後感は決してよくなかったが、万華鏡のような独特な世界観にひかれた。表題作の「くるぐる使い」が好き。フェリーニ「道」を題材にしてるとはいえども、これはこれで大槻ケンヂを代表する名短編である。
2016/11/29
怜
短編集。表題作はおそらくフェリーニの「道」をオーケンふうにアレンジした作品。たしかこれで星雲賞をとったのではなかったかな。ちょっと危ないでも日常に潜む狂気を書かせるとオーケンは気持ち悪いくらいうまいと思う。「憑かれたな」は「憑かれた」と「疲れた」をひっかけてるような面白さとオチの「!!!」引き際が好き。「のの子の変身ジグザク」はオカルトぽくあるけれど実は少女の思春期時代には幻のように現れる病気みたいな熱情を指しているようにもとれる。次作の「新興宗教オモイデ教」よりも、狙った感じがなくて好きです
2014/06/30
アロゲロゲ
社会と相容れない少年少女が気が狂って人を殺したり教祖になったりする話をまとめた作品集。巻末のオーケンと糸井重里の対談も面白かった。
2014/07/09
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