ドノヴァンの脳髄 4版 (ハヤカワ・SF・シリーズ 3002)
ドノヴァンの脳髄 4版 (ハヤカワ・SF・シリーズ 3002) / 感想・レビュー
ニミッツクラス
95年の4版(初版は57年)を読んだ。95年に復刊した4冊の中の一冊で、装丁も当時のままらしい。タイトルから、ベリャーエフの「ドウエル教授の首」を連想する・・“首から上”か“脳髄”(=脳)かの相違はあるが。限られた舞台装置でのマッドサイエンティスト物ゆえに、脳を入手する迄のワクワク感に比すると後半は凡庸。特に主人公へのテレパシーによる圧力は事態の流れを加味しても是非の分かれる処だろう。怪しげなトップ屋や裏のありそうな遺族の登場で、映画向きではあると思う。懐かしい恐怖の香りのする一冊だった。★★★☆☆☆
2014/11/30
えふのらん
頭の挿げ替えに凝っていたマッドサイエンティストが偶然手にした富豪の脳みそに振り回されるおはなし。身体を失った頭部ということで当然ドウエル教授を思い出してしまうが、こちらは脳が電波をつかって縦横無尽に暴れまくるということでかなり娯楽色が強い。死体の写真で脅しにかかる報道屋なんかは古き良きアメリカンノワールを思い出させる。ただ、単にセンセーショナルなのではなく、遺族が筆跡や仕草、記憶の断片から脳の正体を割り出したり、奪われた身体が煙草を呑む仕草をただ眺めているしかないといったベリャーエフとはまた違ったSF感も
2024/01/18
錯乱坊
こちらも児童書で読んで、面白かったので、ハヤカワSFシリーズで見つけて読んだものです。直接映画化されていたり、同様のアイデアで映画が作られていたりとなかなかにホラー映画向けの素材ですね。後年の『ハウザーの記憶』の方がお話としては面白いですかね。
がんぞ
俺のは昭和40年再版でサイエンスフィクションシリーズ(¥270)とあるが、初版ではファンタジイブックスだったはず。当時は「SFシリーズを出した出版社は倒産する」という恐ろしいジンクスがあったのだった!1943年発表、映画化あり。他にも数本。SFというより恐怖小説。飛行機事故死した富豪の脳を培養保存実験したら、彼が自らの死を認めず知人を使い、秘密の私生児が殺人罪を陪審員買収とか証人脅迫して無罪にしようと様々な軋轢を。脳を殺そうとしたら念力殺…。1925年ソ連SF『ドウエル教授の首』のアメリカ版というところ。
2013/05/22
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