片道切符 (ハヤカワ・ノヴェルズ)
片道切符 (ハヤカワ・ノヴェルズ) / 感想・レビュー
新地学@児童書病発動中
これは傑作。フランスのスラムに住んでいたアラビア人の少年が、故郷へ強制的に送還される物語。彼に同行するのが外務省の役人とツアーガイドの女性。後半は一種のロードノベルになり、3人の道中がユーモアとペーソスのある筆遣いで描かれる。3人はそれぞれに孤独を抱えており、お互いに惹かれあうのだが、完全に心を通わせることはできない。特に役人のシュナイダーは、妻に愛想を尽かされ、この旅を小説にしようと悪戦苦闘するのだが、思うようにいかない。主人公の少年アジズがシュナイダーのために一肌脱ぐ最後の場面が泣ける。→
2016/12/11
Mark.jr
アラブ人というだけで、そこで育ったことも、見たことすらもないモロッコに送り帰されてしまう青年の物語。軽妙に書かれていますが、風刺は鋭く、なかなか悲惨なお話。タイトルの意味深さよ...。
2021/12/13
のらくろ
とても面白い。今からでも文庫化してほしい。
2024/08/31
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