ユニコーン・ソナタ
ユニコーン・ソナタ / 感想・レビュー
ワッピー
現代の吟遊詩人ピーター・S・ビーグルの96年発表の作品。ロスアンゼルスの少女ジョーイは、ある日不思議な音楽を聞き、異界<シェイラ>に入り「大老」と呼ばれる視力を失いかけているユニコーンたち、サタイヤ、小ドラゴンなど不思議な生き物に出会う。ジョーイは何度もロスとシェイラを行き来するうちに、ロスにも人間に姿を変えたユニコーンがいることを知る。何の選択もできない神話的存在であるよりも、愚かで、無知で、みじめな人間になりたいユニコーンの願いとは?これまでとはやや違うテイストに感じたので、処女作に戻ってみます。
2019/05/17
新地学@児童書病発動中
ユニコーンの世界と人間の世界を行き来することができる少女の物語。ちょっと不気味で異質で、それでも美しく神秘的なユニコーンの世界の描写が素晴らしい。物語の最後で、少女のおばあさんが、盲目になってしまったありとあらゆる色の、無数のユニコーンを癒す場面は忘れがたい印象を残す。
2011/12/11
mizuha
美しい音楽を奏でる角笛を売りに来た少年インディゴと、その音楽に誘われるように「境」を超えシェイラにたどり着くジョーイ。どうにも馬が合わないのは、お互いの望みや憧れが正反対に見えるせいだろうが、結局は同じ事なのだと思う。でもラストは、2人が長く助け合って行くのだろうと思わせてくれて一安心。そしてここにもまた、愛情溢れる素敵なおばあちゃんが居る。色々なメッセージが込められているのだろうが、美しいシェイラの情景と生き生きとした住人たち、何よりも「最後のユニコーン」とは違ったユニコーンの姿が印象的。
2014/04/13
おだまん
旅立ちのスーズの後書きを読んでこちらも。児童書扱いなのかしら?少しテイストが違うけれど根は同じ。あぁ、ユニコーン・ソナタ、聴いてみたい。スピルバーグのアニメ化、してない?
2024/02/11
mayuri(Toli)
何より印象に残るのは、ユニコーン(大老)でありながら人間の世界に焦がれ続けるインディゴの存在でした。我々が時に妖精郷にこがれるように、妖精たち幻想世界の住民も、人間の世界に焦がれ、その双方の思いがこういった<境>を生むのなら、こんなに素晴らしいことはありません。想像力の無限の可能性を垣間見た気持ちです。 ユニコーンの角が奏でる音楽、私も聞いてみたいです。
2012/08/05
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