マン島の黄金: クリスティー最後の贈り物 (ハヤカワ・ノヴェルズ)
マン島の黄金: クリスティー最後の贈り物 (ハヤカワ・ノヴェルズ) / 感想・レビュー
中島直人
(図書館)久し振りのクリスティー。完成され、洗練された印象の、完璧で完全な推理小説とは異なり、実験的な、生硬な、印象を受ける短編。いろいろなクリスティーを知ることが出来るようで、ファンにとっては嬉しい、面白い作品だと思う。
2016/12/27
Cinejazz
A.クリスティ(1890-1976)が、名探偵ポアロの登場する『スタイルズ荘の怪事件(1920)』で作家デビュ-して100年を飾る記念の年に、書棚の奥から引き抜いて読んだ、デビュ-間もない頃に発表され長く埋もれていた10篇の短編集です。謎解き、心理サスペンス、ロマンス、ホラ-とバラエティに富む構成ですが、ミステリの女王・クリスティとは別の顔が垣間見れる『崖っぷち(1927)』・『孤独な神さま(1926)』・『光が消えぬかぎり(1924)』に得も言われぬ魅力を感じました。
2020/12/21
tafuaruruku
最後のあとがきの、「残された短編集を必死にかき集めて出来上がったおこげのおにぎりみたいに風味豊かな短編集」という言葉通りの短編集。「クリスマスプティングの冒険」にまとめられた小説の原型版が2編載っている。正式な本編は中編なのだが、この短編版でも十分に面白いのが、クリスティのすごさを物語っていると思う。小説の後にあとがきが逐一載っている形式も面白い。私が好きなのはクリスティが感傷的すぎたと評した「孤独な神様」だが、心に刺さったのは「崖っぷち」である。善人ってなんだろう、と思わされた。
2019/05/21
barcarola
クリスティーファンならば、いろいろなジャンルが楽しめる一冊。1つ挙げるとすればベタかもしれないが「孤独な神さま」かな。表題作は……まぁ、いいでしょう(笑)。
2016/09/17
yi120
図書館で見つけたクリスティー最後の贈り物。表題作は少し特殊なので?だったが、他は色々なパターンがあって楽しめた。各章ごとに後書きがあり、これも興味深い。童話のようにロマンチックな「孤独な神さま」悲話の「光が消えぬかぎり」が特に印象に残った。長編しか読んだことのないポアロシリーズ短編集を読んで見るか。
2015/10/31
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