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サバイバー

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作家
チャック・パラニューク
Chuck Palahniuk
池田真紀子
出版社
早川書房
発売日
2001-01-01
ISBN
9784152083289
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サバイバー / 感想・レビュー

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ハイちん

「ファイトクラブ」 のチャックパラニュークの作品。集団自殺を敢行したカルト教団の生き残りを主人公に据え、彼の数奇な人生を描いていく。教団を出た主人公から見れば、社会で有り難がれているのおおよそのこと(仕事、恋愛、健康とか)がギャグになってしまう。くだらない世界と、くだらない世界をありがたがるみんな。くだらないと思っていることを隠してみんなと同じようにふるまう自分。ちなみにこの本は章立てとノンブルが逆になっていて、324pで始まり1pで終わる。この物語は始まりに向かって終わっていく……。面白かった。

2015/09/29

詩歌

「毛皮のコートについた血の染みを抜くこつなら訊いてくれ。ロブスターの茹で方と、正しい食べ方なら訊いてくれ。」主人公はあらゆる手仕事に詳しい。ウチに来て下さい。

2014/03/24

桂木

膨大な量のガラクタを積み上げ創り上げた巨大なオブジェの様な作品。個々のパーツは無意味で下品でふざけた物ばかりなのに、出来上がったものは痛切な祈りの像だった。久々に本を読んで泣いた。狂騒的な語りとスキャンダラスな要素に惑わされそうになるが、私の目には彼が必死で生きようとしているように、何とか生き方を見つけようとしているように映った。その切実さに、絶望的な孤独に泣いた。本書は正にサバイバー、生き抜こうと泣きながらもがく人の物語なのだ。刺さる人にしか刺さらない作家であり、本だとは思う。私にはぐっさり刺さった。

2023/04/06

ハイザワ

カルト教団が集団自殺事件を起こした跡地にアダルトグッズの巨大廃棄施設を作る(おまけにそれをインチキ宗教家に仕立て上げた教団の最後の生き残りに宣伝させる)ところがあまりにも悪趣味すぎて笑った。一方で本筋の兄やファーティリティのパートにはいまいち乗れなかった感。蘊蓄を洪水のように垂れ流すスタイルや、体言止めを多用したリズミカルでいてどこか冷めた文章など、魅力的な要素はいっぱいある。ただ、未来を予測できるファーティリティというキャラクターの掌の上で転がされている感じがあって、突き抜けがあるとなおよかった。

2020/02/21

澤水月

911がこの後起きるとは…映画化頓挫が実に惜しい

2001/03/25

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