愛の饗宴
愛の饗宴 / 感想・レビュー
kawauso
読み直し。愛の始まりと終わり、完璧に見える愛、乱暴な愛、チグハグな愛……いろんな愛がぎっしり詰まっていている。愛の見本市みたいな本。一人一人の人物の感情の解像度が高くて、今もミシガン州のアナーバーで生きているような気がする。彼にとって完璧に見えた愛でも、彼女にとっては不完全で、そうしたままならなさにおかしみを感じたり、寂しさを感じたり。たとえ過去になっても、そこに愛があったという記憶と手触りはとても素敵だなと思う物語だった。もっとこの人の本を読みたいけど、原書じゃないと難しいのかな。
2023/07/20
ベック
いつものごとく、普通の人々の、普通の愛の営みを描いている。だが、そこはバクスター、そのなんでもない普通の世界が小説として成り立っているのだからたいしたものだ。いくら普通だといっても、それは言葉の綾であって、そこにはサスペンスもあればミステリもある。ときにはおかしく、ときには哀しく、ぎこちなくもあまりにも身近な真実の姿があるのだ。小説巧者バクスターの技量に奢らない、肩の力を抜いた自然な物語が楽しめる。限りなく普段通りの世界なのに、どうしてこんなに惹きつけられるんだろう?やっぱりバクスターはいい。もっともっと
2006/05/13
感想・レビューをもっと見る