ブラック・リスト
ブラック・リスト / 感想・レビュー
まふ
V.I.ウォーショースキー女流名探偵の体力をフルに活かした大活劇巨編、と言うべきなのだろうが、大判2段組470ページがやや空疎な世界となってネブタのドンガラみたいにしまった、というのが偽らぬ印象。9.11テロ後のアメリカの右傾化がマカーシー時代とダブって見えるという危機感が書かせたのかも知れぬが、起承転結が決まらない。この程度の内容であれば半分のボリュウムで済むだろう。読み疲れ、ごくろうサンというところか。G491/1000。
2024/04/21
NAO
作者は、イスラム教徒はみなテロリストであるとあおるような風潮に、かつての赤狩りに似たものを感じて危惧しているという。この作品では、エジプト人の少年が、テロリストの疑いをかけられて逃げ回っている。赤狩りもイスラム教徒への偏見も恐ろしいものどが、この作品で一番嫌悪感を感じたのは、最上流階級の特権意識と無慈悲さだ。人一人殺すことをなんとも思わないあの人格は、どのようにして出来上がるのだろう。そして、多分、重い罪に問われることもなく、許されてしまうなんて。なんだか虚しさを感じる話だった。
2021/01/29
いっこ
9.11同時多発テロ後のアメリカで成立した「愛国者法」に、「レッドパージ」時代を重ねたストーリー。探偵としてのヴィクの知恵と力技は痛快だが、監視社会に対する不安との闘いに息を呑む。
2023/06/14
アヤネ
2004年作品。CWA賞GD賞。シカゴの探偵V.I.ウォーショースキー。長年の顧客ダローから、母ジェラルディーンの疑念(無人の屋敷に出入りする不法侵入者の正体)の調査を依頼される。池で黒人男性の死体発見。。。1957年の非米活動委員会(赤狩り)や、9.11テロ以後にできた「愛国者法」(テロを阻止するために必要な手段を提供する法律)など色んな題材が含まれ、考えることが多かった。ヒロインの考えや行動に共感。傑作!
2011/11/02
のぶ
シカゴの女探偵V・I・ウォーショースキーシリーズ13作目。上得意先のグレアムからの依頼で高級住宅地の空家の調査に出かけたヴィクは池にはまって黒人ジャーナリストの死体を発見。現場で出会ったティーンエイジャーはどう関わっているのか?地元保安官、シカゴ市警、FBIを相手に少年少女を守って大奮闘。9・11後のアメリカを背景にしているのも面白い。
2016/12/23
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