ゼロ年代の想像力
ゼロ年代の想像力 / 感想・レビュー
寛生
【図書館】はっきりとした印象ではないが、テレビでは好印象の宇野さんだったと思う。とにかく考えろ!考え抜け!といいたいことはよく分るし、本書に繰り広げられた解釈論も面白い。だけども、申し訳ないが、的が少しズレている気がする。ニーバーの祈りで本書が始まり閉じるが、これ、ニーバーが引用した祈りじゃない?!著作権の問題ではないのですが(笑)確かそうだと思うんだけど。ただ、こういうふうな祈りでサンドウィッチ的に自らが考えろといっているものをナカミにするんだったら、あまりおいしいサンドウィッチじゃあなかった。
2014/11/06
おさむ
うーむ、十年前の名著として新聞の書評欄で紹介されていたが、ついていけませんでした。マンガやアニメ、ラノベなどのサブカルを題材に繰り広げられる論考。だが、その作品群自体をあまり知らないため、簡単な説明だけでは理解できず。東浩紀や宮台真司らの論考への批判も同様の理由から理解できず。斜め読みでしたが、宇野常寛さんの作品はもういいかな〜。
2018/11/18
oz
再読。優れた批評家とは同時代人の心情を代弁してポピュラリティを獲得した人物のことを指す。ならばゼロ年代という呼称が一般に浸透した今、演繹的に「宇野は優れた批評家だ」と言えるかもしれない。だがこの論の最大の瑕疵は何故既存の(2000年代という)呼称でなくゼロ年代という新しい語を用いる論理的必然性があったのかを明確に語っていない点である。ゼロ年代などという独創的な語をしかも論題に用いるのなら、それは論中精緻に検討されてゆくべきである。よって立論の段階で本論は破綻してしまっているのだ。
2010/01/28
凛
東浩紀氏の次に読みたい一冊。東・セカイ系の批判を軸に展開され、ゼロ年代の新しい潮流(サヴァイヴ系)を提唱し、決断主義の克服という思考回路を与えている。セカイ系に傾倒している人への警鐘とも受け取れる批判だった。攻撃的な表現が多数見受けられるため心穏やかには読めないが、セカイ系からサヴァイヴ系への変遷の議論は興味深く読めた。サヴァイヴ系の代表作として『DEATH NOTE』が挙げられており、宇野氏の解釈になるほど納得できるものがあった。
2014/06/18
阿部義彦
1978年生まれの若い評論家による、サブカルチャー批評。キーワードの括り方や名付けのセンスがわかりやすいです。サヴァイブ系や「野島伸司と幻冬舎文学の時代」「スクールカースト小説」に見るバトルロワイヤルの進行、ふたつの『野ブタ』のあいだで、セカイ系、空気系等などクドカンと木皿泉とよしながふみをまとめて語るなど大変刺激的でした、ついていけない話題もありましたが(仮面ライダーや高橋留美子等)大変な労作だと思います。15章、脱「キャラクター」論が刺激的でした。
2015/09/03
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