追憶のハルマゲドン
追憶のハルマゲドン / 感想・レビュー
サトシ@朝練ファイト
ドレスデンの空襲に関して、これほどのものだとは全く知らなかった。東京大空襲もしかり。
2015/07/05
chanvesa
マークの「はじめに」が感動的。2007.4.27のスピーチはどう受け取られたのだろうか?ヴォネガットのファンは喜んだと思うけど、何にも知らない人は戸惑う内容だと思う。仮にヴォネガットがスピーチしたとしても、反応に困った聴衆を前に彼はどう思うのだろうか。この本の小説には、しばしば略奪がテーマとして出てくる。生き延びるために倫理的にダメとわかっていてもせざるを得ないという状況。それは「明るくいこう」のルイスから、「略奪品」のポールまで。ドレスデンの空爆と対比ではなく、そのレンジそのものが「戦争」なのだろう。
2016/09/19
R
ユーモアのきいた皮肉を読ませる珠玉の短編集でした。遺稿を集めたものなので、破天荒なスピーチ原稿なんかも混ざっていて、どれもこれも、切れ味鋭く、嫌いなものを批判しきっていて小気味の良い内容でした。自身の経験からくる、二次大戦中の捕虜という立場の小説は目を開くようなものがあり、勝者の醜さ、敗者の哀れ、それを少し離れてみることができる立ち位置が魅力的な語り口でした。戦争が嫌いという、強烈なメッセージを笑いにのせて伝えられて、気づくとじっと考えさせられてしまう力を感じました。
2016/08/13
roughfractus02
第二次大戦時上等兵だった作者の家族宛の手紙と最後の講演草稿を冒頭に並べた本書には後世の批評が窺える。戦争の状況を伝える文と講演での皮肉で笑いを引き出す文の並びには、味方に空爆されて戦争そのものが自分に襲いかかるドレスデン爆撃を境に変貌した作者の文体の軌跡を、当の爆撃の様子をまざまざと伝えた次のノンフィクション「悲しみの叫びはすべての街路に」までの3作で一望できる構成に見えるからだ。その後表題作品で締め括られる本書は、この悲惨な出来事に耐えるために作者が物語と笑いを必要としたことを読者に訴えかけてくる。
2023/07/07
どらがあんこ
戦争が多く描かれているが、ヴォネガットが描くとなんだか暖かさがあるのだった。少しづつ読むと良い。
2021/02/03
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