カフェ・コッペリア
カフェ・コッペリア / 感想・レビュー
七色一味
読破。表題作を含む7編のSF短編集。AIだったり、ロボットだったり──は随所に散りばめられているものの、それらはあくまで背景として、それらを扱う人同士の触れ合いだったり思いだったりを主題に描かれている作品たちです。ただ、現在でも言われれてることですが、ガジェットに依存する人々の希薄な、コミュニケーション不足な感じの関係が、作品全体を薄ら寒い感じに色付けしていて、表紙のイラストの雰囲気と妙にオーバーラップされます。気持ち的にほんわかする短編(【笑い袋】とか)もあるんですが、どうも全体のトーンが寒いです。
2012/06/20
あつひめ
そう遠くない未来・・・私たちはその未来を目にすることができるだろうか・・・。人が作り出す科学の世界がいつの間にか人間を動かすようになるんだろうな。「リラランラビラン」・・・今でもこんな生き物が居るならほしいって人が多いかもしれない。癒し系の生き物に人間は弱いから・・・。菅さんの描く世界はいつか本当にそうなりそうな世界で・・・魅力的な半面ちょっと怖い気もする。
2011/01/06
あおでん@やさどく管理人
表題作は初出が約20年前なのに、今のAIの学習原理が踏まえられているところに驚き。「言葉のない海」も好き。言葉にしなくても波長が合いそれだけで満たされる感覚は、「運命の相手」をも超えている結びつきかもしれない。SFというエッセンスがあるとはいえ、描かれているのは人間模様。どんな未来になろうと通じるものがある。
2021/06/29
libra
「そばかすのフィギュア」がよかったので菅さんの別の本を読んでみたいと思い読書。「そばかすのフィギュア」と比べるとショートショートのような毒があったので、思い描いてたのとギャップでびっくり。それでも気になる作家さん。
2016/04/23
朱音
素材として未来のモノを用いているのだが描かれているのは人の心とは、ということなのであった。こういう話だと未来というのはやはり「今とつながって」いるのだなぁと思う。少しほろ苦い読後感のある表題作のほか、「リラランラビラン」が好み。
2011/04/30
感想・レビューをもっと見る