ブラッディ・カンザス (ハヤカワ・ノヴェルズ)
ブラッディ・カンザス (ハヤカワ・ノヴェルズ) / 感想・レビュー
キムチ
2段組みで読む地域の狂気は疲れる。能天気日本人の私には「合衆国」に変貌していく建国からの歴史認識がおざなりすぎ。南北戦争がもたらした諸事を単純化できないブラッディ(血塗られた)カンザスは想像以上に陰鬱、激しい(大草原の・・と言うドラマで叙情的に脳に映像化されている)反面「ベンスター一家」の悍ましき事件も有る。後半は、流し読み。書評家ではないので終日、読み耽る精神力と時間は無い。9/11以降の世界~イラクでの肉親の親の死、「白い土人化する」キリスト教福音派の興隆、同性愛、日本と大きく異なる教育事情(スポーツ
zushhy
二段組みのわりに読みやすい本であった。過去話がいくつか伏線めいて張り巡らせてあるので、実は…という展開になるのかと期待したんですが、あくまで小さな街で生きる話。隣の家に信心で凝り固まった婆さんがいて、(進歩的な)若い嫁さんや、かわいいティーンエージャーの女の子のあら探しをして、人生を真っ黒にするような噂を広めてまわってたりしたら、やっとられん、とつくづく思いましたよ。これもアメリカ
2014/11/24
四男の母
初読みの作家だったので、シリーズでないのから読んだ。ある意味ご近所トラブルで、ドロドロしてちょっといろんな人間が怖かったが最後は救いがあり、わりと好きな感じ。分厚い本なのに一気読みだった。
2017/11/25
kemonoda
大作です!!V.Iの出てこないパレツキーの小説というのは・・・好きですね。とても好きです。「ゴースト・カントリー」はシカゴが舞台でしたが、本書はパレツキーのルーツであるカンザスの田舎が舞台。「宗教」と「主義」というもののもつ「狂信」と「不寛容」の恐るべき本質はある意味、人間の本質であって、悪は滅びないし、なかなか報いも受けないけれど、とても小さくともハッピーエンドであることで救われました。世界を変えることは簡単でなくても、自分自身を変えることは、自分にはできるはずってことですよね。
2013/10/09
sawara50
女探偵ヴィグ・ウォーショースキーのシリーズでおなじみ、サラ・パレッキーの普通小説。携帯やEメールも出てくるし、まぎれもなく現代が舞台なのだが、中西部の伝統ある農家の幸せファミリーがふとしたきっかけで近所のトラブルを起こし家庭崩壊していくという話。エピソードにゲイ差別、キリスト原理主義など現代アメリカの病巣が顔を覗かせていて興味深い。アメリカの田舎者は美学・主義主張があるのはわかるが、とても古色蒼然としていて私は暮らせそうにない。(それ以前に人種差別にあいそうだが)。都会のギャングとは違った怖さがある。
2009/10/18
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