ハーバード白熱教室講義録+東大特別授業(上)
ハーバード白熱教室講義録+東大特別授業(上) / 感想・レビュー
zero1
哲学は誰もが参加すべき現実問題。以前話題になったサンデル教授の講義。映像で見ると学生たちの目の輝きが印象的。一般論ではなく予習により思考が深く定言命法など難易度が高い。【トロッコ問題】をはじめベンサムやミルの功利主義、人権の根源、人命の値段など実に興味深い。人命はプライスレスだが【当たり前】ではなく思考の結果答えを出すことに意味がある。ビル・ゲイツとマイケル・ジョーダンは高い税金を払う義務がある?代理母や同意の意味、兵士を金で買えるかも問う。後半はイチローとオバマの収入など東大での講義も収録。下巻へ。
2019/10/04
ntahima
学生との対話形式の講義録なので『正義の話』に比べると、話題が同じということもあり、格段に読み易い。但し、読み易いことと、理解しやすいことはイコールではない。対談集なんか読んでいると、分った気になるが実は分っていないことが多いので、できれば『正義の話』も読むことをお勧めする。学生が各哲学者の著作を読んで講義に臨む『白熱教室』に比べ、学生達が恐らくテレビを見て予習したであろう『東大特別授業』はハプニング性に欠ける嫌いもあるが、頭の中を整理するのには有用である。さて、問題は教授の考えが展開される筈の下巻である。
2012/09/14
SOHSA
本書はハーバード大での講義における学生とのやり取りを本にしたもの。講義の臨場感がリアルに伝わってくる。内容は既読の「これからの正義の話をしよう」と同一ではあるが、講義形式である分、格段にわかりやすい。理解を深めるためにも「これからの〜」を読んだ人にもおすすめだと思う。
2013/04/08
takayo@灯せ松明の火
面白い!サンデル教授の絶妙なナビに導かれて「考える」ということ自体がワクワクする。この講義終了後も学生同士で討論続けたり、あるいは個人独りで再度咀嚼しつづけている姿が自然に思い浮かぶ。そして、「正義」とは?子どもが幼い時は危険が『悪』そして「良い母親に見られる為に行っていること」はないだろうか!今までカントとか哲学なんて私の生活には全く皆無だったけど、具体例が効いているのか一生懸命、学生達とともに考え、そのことを楽しんでいる自分にとても満足(^^)v
2011/05/22
Nobu A
「これからの『正義』の話をしよう」に続き、マイケル・サンデル著書2冊目。手に取って文庫化した前著の基だと気づく。しかし、本著は臨場感たっぷりの口語体。同じ出版会社で翻訳者が違う。不思議。ハーバードの学生の名前を次々と呼びながら白熱した議論が続く。前著の復習も兼ねて功利主義のジェレミー・ベンサム、人間の尊厳と定言的な権利と義務を尊重するイマヌエル・カント、正義と美徳を育み意義を問うアリストテレスの三人の哲学者の教えを現代問題にどう落とし込むか教えてくれる。複雑な社会問題の多くは哲学に答えがあるように思う。
2021/05/16
感想・レビューをもっと見る