開かせていただき光栄です―DILATED TO MEET YOU― (ハヤカワ・ミステリワールド)
開かせていただき光栄です―DILATED TO MEET YOU― (ハヤカワ・ミステリワールド) / 感想・レビュー
射手座の天使あきちゃん
皆川さん初読み えっ、えぇ ○○歳!? それこそミステリーですw! <(^_^; 覚えられない外国人名、複数の場面を切り替え時間をずらしながら展開する難解なストーリー、そして思わず息を止めてしまうほどリアルな臨場感で迫ってくる腐臭・悪臭の気味悪さ うげっ!っと思ったのはほんの一瞬、もう一気読みでした 読友さまの感想無くしては出会えなかった一冊です、出逢わせていただき光栄です♪ m(_ _)m
2012/10/13
kishikan
なかなか重厚なミステリ。18世紀のロンドンを舞台にして、医学の分野や当時の刑事事件の扱いが書かれているので、読んでるうちにこれって本当は翻訳本なのでは?と思ったほど。登場人物がなかなか覚えられず(ファーストネーム、セカンドネームが混在しているので)、物語に入り込むのに時間がかかるかもしれないけれど、二転三転する謎解きは、人によって癖になる面白さを感じるかもね。とシャーロックホームズの物語より100年ほど時代が遡るので、そうしたことを念頭に置きながら読むと理解しやすい。皆川さん、面白かったです!
2012/05/23
文庫フリーク@灯れ松明の火
死者として生きる二人。勝手な脳内画像は『ポーの一族』エドガーとアラン。もしくはヴァッツとシェラ(茅田砂胡さん)人体解剖が先端科学であると同時に忌避される18世紀ロンドン。私的解剖教室に謎の屍体。師弟の謎解きは真相まで二転三転。硬質で静謐な狂気は薄めですが解剖ソングや引用セリフ、執筆された皆川さんご自身も愉しかったのでは(笑)妖しく魅力的な妖精王(オーベロン)と妖精女王(タイターニア)の続編希望です。膨大な知識が根底に有ってこそ生まれる独特の世界。皆川博子さん、可能なら不死の存在でいて下さい。
2011/11/09
青乃108号
タイトルが好きでない。もっとましなものは無かったのか。でも、読んでいるうちには馴染んで来るのかも、と思いつつ読み進めたのだが。やっぱりコレジャナイ感がいつまでも拭えなかった。内容はと言えば中盤あたりまでは興味深く読めたものの、終盤、ああでもない こうでもないと執拗に物語を混ぜくりかえされ、付き合わされる方としては段々疲れて来て。最後は半分どうでもいいや、と流し読み。俺には合わない小説だった。最後まで読んではみたけど、タイトルはやっぱり嫌いなままで。続編、読みたい本からの登録をはずした。もうたくさんだ。
2021/11/28
ふじさん
「ミステリ・マガジン」連載。十八世紀ロンドン、黎明期の解剖学に焦点を当てる精緻な本格ミステリにして、重厚な歴史ロマンの雄編。完全に翻訳調で書かれた文章には初めのうち読み辛さも感じたが、この文体だからこそ本作の魅力は引き立てられたのだと強く感じる。幾重にも及ぶどんでん返しの満足感もさる事ながら、敢えて真相を小出しにする事で、逆に最も重要な真実を最後まで読者の目から隠した技巧に脱帽。綺麗に騙された。偽の解決に若干切れ味が足りない気もしたが、あらゆる要素が有機的に結び付く事で醸成される圧倒的な詩情は余りに甘美。
2011/08/19
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