アルモニカ・ディアボリカ (ミステリ・ワールド)
アルモニカ・ディアボリカ (ミステリ・ワールド) / 感想・レビュー
文庫フリーク@灯れ松明の火
縦穴の坑道から白亜の石塊を地上に引き上げる人力の踏み車。車漕ぎ人夫が目にしたのは白い翼を大きく広げ、舞い上がってくる天使の姿。そして坑道の底で発見された遺体‐天使の胸に血で記された〈ベツレヘムの子よ、よみがえれ!〉の文字と〈アルモニカ・ディアボリカ〉の署名。「僕は、僕が望むように君を変えた。でも、エド、君と再会できたら、君が望むように、僕を変える」べドラムに生を受けたタイターニア(妖精女王)の手記が、ページをめくる手を止めさせない。盲目の判事も認めたオーベロン(妖精王)の、隠れた犯罪を追求する優れた才能。
2014/05/12
YM
登場人物覚えてるうちに続編へ。前回のチーム男子萌え度はちょい下がって、BL度が上がったんかな。時折挟まれる勿忘草の詩がせつない。 forget me not、私を忘れないでかあ…。(高校生のときBONNIE PINKの同名曲よく聴いたなあ。)あんな手記見つけちゃったらどうすりゃいいの…。忘れらんねえよ。もうぐったりだよ。
2014/12/31
nobby
『開かせていただき光栄です』続編。前作そのままの人物が登場にワクワクするも、あの2人が欠けているのが寂しい。“天使”な死体から始まる前半は不可解な出来事が並び正直読みにくい。それが100頁で訪れる哀しい衝撃!そこから二つの時代が交錯する展開に惹かれるも謎は深まるばかり。後半ようやく明らかになる事実は18世紀後半の英国も加わり切なく歯痒いばかり…それでも細かな伏線回収されながらのラストは夢中で読んだ。“悪魔”のではなくアルモニカ・アンジェリカを是非聴きたい♪
2016/09/07
けい
皆川さんの文章に導かれ「開かせて頂き光栄です」の舞台から5年後ロンドンの街角に立つ。前作で去って行ったエド達の姿は見えないが、サー・ジョンをはじめとするいつものメンバーの元に「アルモニカ・ディアポリカ」と記された死体が現れる。ナイジェルの過去を遡り、人としての扱いを受けていない人々の悲しみ、恐怖、そして愛情が物語の根底を形作って行く。混沌とした時代のイギリスを権力者の傲慢さと人々の悲劇で描く今作、冴えわたる皆川節に読後しばし呆然。How Can I Leave Theeを聴き物語の余韻にひたる。
2014/01/22
拓郎
登場人物が多く、またつい一月くらい前に読んだのに前作の内容の重要なところを忘れていて混乱してしまいました。でも世界感や登場人物が魅力的で楽しく読めました。アルモニカの演奏聴きたくなりました。今回図書館の期限に追われて急いで読んだので皆川さんの他作を次はじっくり読みたいと思います。
2016/06/28
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