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深紅の碑文 (上) (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)

深紅の碑文 (上) (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)

深紅の碑文 (上) (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)

作家
上田早夕里
出版社
早川書房
発売日
2013-12-19
ISBN
9784152094230
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深紅の碑文 (上) (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション) / 感想・レビュー

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文庫フリーク@灯れ松明の火

『華竜の宮』終幕。青澄のアシスタント知性体マキを含め、20体ほどの人工知性体を乗せた2隻の宇宙船。1隻は月へ。もう1隻は太陽系の外へと。目次後のイラスト・無人宇宙船アキーリ号がその船なのだろう。海上民のオサ・ツキソメとの約束、海上都市建設とアジア系難民の生活立て直しを軌道に乗せ、外洋公館の公使を退職した青澄。人道支援とビジネスを合体させた救援団体《パンディオン》を立ち上げ、大異変とその後の《プルームの冬》に立ち向かおうとする青澄と、コインの裏表のように紡がれる、ラブカ(海の同胞の生存を守るため機械船→

2014/05/25

ちはや@灯れ松明の火

やがて滅びゆく運命と解っていても、最期の刻を迎えるまで人は足掻き続けるだろう。陸と海、道を違えたふたつの人類、途絶えることが定められた陽光と資源。淘汰を前に目覚める種の生存本能、生き延びるために奪いあい、奪うごとに流される深紅の血。青い海を広く見渡して、手を携え共に歩む路を彼は唱え、蒼い海の深みに身を浸し、手を汚すのを厭わず抗う路を彼は叫んだ。異なる手段と視野、生命を救おうとする意志は等しくとも、譲れない矜持と目的。星の海を見上げて、手の届かぬ未知の高みに彼女は夢を描く。いつか重なる運命を未だ知らずに。

2014/03/18

ケンケン

(329冊目)《オーシャンクロニクル・シリーズ》の「華竜の宮」姉妹編。時は25世紀、陸地の大部分が水没した地球。<大異変>という名の破滅的な環境変化を前にして険路を行く人類たちを描いた黙示録的海洋SF作品。 前作読んで以来、待ちに待った続編~期待を裏切らない面白さだ!! 現代社会にも通ずる紛争、貧富の格差、資源争奪戦など…未曾有の危機と混乱のなかでもなお繰り広がれる権謀術数の数々により読み応え十分である。果たして、人類は如何なる選択をし、存亡をかけるのか!? 下巻へと続く…

2014/02/04

おかむー

前作『華竜の宮』を未読だと全く理解できない完全な続編ではあるけれど、だからこその読み応えがある。『よくできました』。前作で物語として一応の決着がついてはいたものの、全体にやるせない展開に終始していたところにひっかかりがあったのだけれど、今作では破滅的な未来へと進むなか宇宙船の開発に人類の夢を託すユイという人物を登場させる形で希望が描かれているところが好感触。一方、陸上民と海上民のシビアすぎる対立の狭間で相変わらず孤軍奮闘な青澄なのですが、あまり前作の登場人物に頼りすぎない割り切りは潔いですね。

2015/03/14

けい

前作の華竜の宮で描かれなかった、ラストの部分を詳細に描く物語の構成。それぞれ立場の異なる3人により語られる物語。登場人物達の熱き心を静かに包み込むような上田さんの文章が相変わらず秀逸です。人類滅亡の可能性が示唆されるブルームの冬を目前に控え、今と未来を天秤にかけながら苦悩していく登場人物達。彼らの胸の内を語る事により、人が持つ多面的な本質(欲求)が語られていきます。短い時間の出来事を描きながらも、前作のスケールに勝るとも劣らない世界観がすごい。いやいや、まだ上巻、気持ちを鎮めて下巻へ。

2014/08/04

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