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深紅の碑文 (下) (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)

深紅の碑文 (下) (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)

深紅の碑文 (下) (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)

作家
上田早夕里
出版社
早川書房
発売日
2013-12-19
ISBN
9784152094247
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深紅の碑文 (下) (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション) / 感想・レビュー

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文庫フリーク@灯れ松明の火

本来ならば海上民の朋となりえた獣舟。その獣舟を小さいうちに捕獲し、中枢神経に制御装置を埋め込んだ生物兵器〈CN〉を使った陸側の、ラブカ攻撃。海上民を同じ人間として見ない陸上民の酷さ。〈見えない十人〉により、傭兵化していたラブカのザフィールは〈CN〉研究施設と制御化された獣舟の殲滅に乗り出す。勝ち目の無いラブカの撤退戦。タイトル『深紅の碑文』の表わすもの・・《血まみれの》文字が重い。陰惨な闘いの中『リリエンタールの末裔』チャムの登場に和まされる。なんとも嬉しいリンク。そして〈調和の教団〉のアニス。彼女の→

2014/05/26

サンダーバード@永遠の若者協会・怪鳥

読み応え充分。単にSFの世界にとどまらず、人類とは何か?政治、民族の対立、食料、エネルギー、科学と倫理など現在の社会が抱える問題を考えさせられるスケールの大きな作品。前作で主役であった青澄だけでなく、次世代を担う人々の活躍も描かれる。人類破滅の危機「大異変」を迎え、諦め静かにその時を迎える者、ぎりぎりまで運命に向かって闘う者、わずかな未来に希望を託そうとする者、誰が正しく、誰が間違っているというものではない。どんな困難な局面を迎えても諦めることなく、未来を夢見ることができる、それが人類なのだろう。★★★★

2014/02/08

みっちゃん

強烈な設定で私の心を鷲掴みにした【魚舟・獣舟】その物語がとうとう、ここまで辿り着いた。終末を前にしながら、お互いに、血を流さずにいられぬ人類の業の深さ。題名が心に重くのしかかる。しかし逆に、どんな絶望が待っていようと、決して諦めずに希望を持ち続けて前に進む、それも人の本質であろう。コピー・マキと青澄の最後の邂逅は先に待っている【華竜の宮】のラストが思い起こされて胸が熱くなった。人類が辿り着くかもしれぬ未来の1つの可能性、そこで奮闘するユイやマリエを想って、青い青い空と海がいついつまでも在るように、と願う

2014/02/22

ケンケン

(330冊目)作家デビュー10周年の集大成に相応しい大傑作、待った甲斐があった!! タイトル『深紅の碑文』に秘められた数々の凄まじい事柄‥涙、人類の尽きることない欲望と葛藤が描かれており、SFの枠に留まらない幅広い側面を読ませてくれました。《科学技術の制御・利用と価値観の変貌や平和に対する考えなど》  果たして、我々人間はどんな未来へと進むのであろう~ 少なくとも警鐘の一端は経験済みだ。 多くの人達に読んで欲しい一冊。

2014/02/19

ちはや@灯れ松明の火

いつか潰える生命と解っているから、能う限り人は手を伸ばし続けるのだろう。緋が爆ぜて、朱が撥ねる、陸と海が交わる処に積み重なる屍。火の粉の届かぬ闇に紛れて闘争を商う算盤が弾かれる。魂を操られた異形の同朋に死という開放を、魂に殉ずる覚悟の同志に母なる海の柩を。仮初の平和の礎に紅く黒く刻まれた愚かしい足跡を、後の世で嘲笑う者は存在するのか。ひとかけらの希望を抱き、知恵の名を負う方舟が星の海を渡る。空に想いを馳せ開いた青い薔薇、夥しい辛苦を吸い込んでも濁ることなく。深紅の碑文を彩る青は、この世に遺した誇りの証。

2014/03/20

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