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強欲の帝国: ウォール街に乗っ取られたアメリカ

強欲の帝国: ウォール街に乗っ取られたアメリカ

強欲の帝国: ウォール街に乗っ取られたアメリカ

作家
チャールズ・ファーガソン
Charles Ferguson
藤井清美
出版社
早川書房
発売日
2014-04-10
ISBN
9784152094506
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強欲の帝国: ウォール街に乗っ取られたアメリカ / 感想・レビュー

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Miyoshi Hirotaka

あらゆるものには寿命がある。アメリカというシステムもその例外ではない。不動産屋、住宅ローン会社、銀行、格付会社、保険会社が騙して奪って儲ける仕組みを作り、バブルを起こして崩壊させた。産業に資金を供給すべき金融業界が産官学だけでなく政治にも癒着しているから政権が変わっても訴追も改革もできない。それがアメリカだけでなく、資本主義まで衰退させている。数世代後には逆転不可能な階級社会になり、アメリカン・ドリームは記憶遺産になる。それを回避するためには、個人や組織の自由に制限を加える公共善がもっと議論されるべきだ。

2017/07/27

Humbaba

強者がその力を振るって更に勝者へと続く道を進んでいく。ルールはたしかに守っての行動だが、そもそもそのルールを策定したのは誰なのか。極小数のスーパーエリートにとっては最高の国で、少数のエリートにも住み良い国。しかし、それ以外の人間にとってはただの地獄へと様変わりしてしまいつつある。

2014/07/21

Lila Eule

不動産屋、住宅ローン会社、銀行、格付会社、保険会社が、借金して家を買えば住宅値上がり益で儲けられると市民を騙し、バブル破綻するまでに奪い合い、自分だけ破綻を売り抜けようと、犯した悪事の数々。育てて儲けず、騙して奪って儲ける寡占金融勢力の本性が糾弾され、悪辣さにうんざり。買収された政党、閣僚、学者、有名大学の結社ぶりにはお先が真っ暗。オバマは金融勢力の悪人をひとりも訴追せず、制度もチェンジしないで支援者をだまし、重要な点で国を裏切ったが、米国で得られる悪の中では一番ましと。米国の衰退は止まらないと。

2015/05/02

カワウソさん

サブプライムローンによる大恐慌は100年に1度の不運な事故だったのだろうか?映画『インサイドジョブ』では金融関係者、政治家、学者へのインタビューからアメリカ金融経済の実態が垣間見えた。レーガンからクリントンへと続く規制緩和の時代、ブッシュ政権下における減税政策は金融経済による実態経済からの搾取を助長した。ゴールドマン・サックスのバンカーは「クソみたいな証券」と知りながら、それを顧客に伝えず売り出す様子はまさしく詐欺行為だ。それでもその環境を作り出した張本人たちは罪に問われないのだ。

2019/01/09

人生ゴルディアス

著者の映画は未試聴。米国の政治が金に支配されている印象はあったけれど(下院議員の半数以上の資産が100万ドル以上)、ここまでがっちりできているとは。とはいえ、前回の金融危機についての考えは偏ってないかな。あの金融危機を本当の意味で予測できた人などいないと思うし(サブプラの市場規模は金額だけならば世界経済に占める割合は微々たるものだった)、たとえその可能性を提言されていても、責任者の立場としては軽々しく動けるような内容とは思えない。概して、著者の怒りありきで構成された箇所が多々あるのでは、という印象。

2014/10/14

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