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紙つなげ! 彼らが本の紙を造っている

紙つなげ! 彼らが本の紙を造っている

紙つなげ! 彼らが本の紙を造っている

作家
佐々涼子
出版社
早川書房
発売日
2014-06-20
ISBN
9784152094605
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紙つなげ! 彼らが本の紙を造っている / 感想・レビュー

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鉄之助

表紙が良い。深い海をイメージする青の上に、腕組みした男性と腰に手を当てた女性従業員の眼差しが強く熱い。誰もが「復興まで何年かかるか分からない」とあきらめかけた日本製紙・石巻工場の「奇跡の半年再稼働」をリアルに追った1冊。実はこの工場、日本の出版界を支える洋紙の1/4を生産。歴史的に見ても、前身である東北振興パルプ(株)は、昭和の三陸大津波(昭和8年)で疲弊した東北救済を目的として設立された、という因縁を丁寧に取材した筆者の姿勢が共感できる。

2024/07/11

starbro

斜陽産業の雄、日本製紙と殿様商売の巨大企業の東京電力との差を改めて感じました。トップのリーダーシップ、ミドルの素晴らしいマネジメント、担当者の粘り強い頑張り、三位一体となって短期間で脅威的な工場の再生を成し遂げたんだと思います。日本の企業もまだ捨てたもんじゃないですネ!

2014/12/12

文庫フリーク@灯れ松明の火

【感謝を込めて・あなた-日本製紙石巻工場復興に関わった方々へ】雨にも負けず風にも負けず 水に浸かっても破れず 毎日めくっても耐えうる丈夫な体を持ち 退色抑え コロコロコミックをめくる 小さな柔らかな手を傷つけぬ 優しさ宿す紙 未曾有の震災に 命有った者は命喪った者に 家族無事だった者は家族喪った者に 家残った者は家失った者に 負い目とも罪悪感ともつかぬ複雑な想い抱え 報道されぬ 人の汚い姿を目の当たりにした職人たち 誰もが無理と諦めた工場復興に トップの下した命は 会社存亡賭けた「半年復興」→ 

2015/01/26

みんにゃりん

本を愛するものとして、ぐいぐい引き込まれてあっという間に読了しました。コミック用紙はそれこそお家に大量にあって、8号抄紙機にはものすごくお世話になってるのだなと実感。佐々さんはエンジェルフライト以来だけど、本作は登場人物が多過ぎてちょっと話があちこちに飛びすぎた印象。もっと抄紙機の復興に絞って書いて欲しかったなと。参考文献になっていた倉田工場長が上梓された「絶望と感動の538日」が非売品として国会図書館にあるようなので、どうにかして読みたいよぉ〜!と、まず利用者登録から始めてみます。

2015/07/04

青乃108号

2011年3月11日。俺は鬱病→会社クビ→離婚→帰郷→観光旅館清掃アルバイト→脚立から落下し左大腿骨骨折→入院というプロセスを経て病院でリハビリ中だった。テレビで惨状を知ったのは午後だった。あの時、石巻の製紙工場は壊滅的被害を受けていた。これはその製紙工場を奇跡的に再生させた人々の想像を絶する闘いの日々を描いたルポルタージュである。この再生がなければ紙の本は激減し、出版業界は傾き本屋は相次いで倒産、図書館は閉鎖。俺も本を読む事はなかっただろう。本無しで今の俺は考えられない。彼等の奮闘に只感謝するしかない。

2024/08/16

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