KADOKAWA Group

Facebook X(旧Twitter) LINE はてブ Instagram Pinterest

チェインドッグ (ハヤカワ・ミステリワールド)

チェインドッグ (ハヤカワ・ミステリワールド)

チェインドッグ (ハヤカワ・ミステリワールド)

作家
櫛木理宇
またよし
出版社
早川書房
発売日
2015-07-23
ISBN
9784152095541
amazonで購入する Kindle版を購入する

チェインドッグ (ハヤカワ・ミステリワールド) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

いつでも母さん

櫛木理宇だから、普通じゃないとは思った。装画の胸元が危ないし・・案の定読後は何とも言えない不気味さが残った。それにしてもこの連続殺人犯・榛村が魅力的(危ない、危ない)なのが怖い。何故筧井雅也に届いたのか不思議だったが、なるほどね~にたどり着く。だからと言って何も許されることにはなりはしないのだが・・シリアルキラーって、マインドコントロールって本当にヤバいです。私もコロッといきそうです。くわばらくわばら・・やっぱり、櫛木理宇侮れないなぁ。

2016/04/22

🐾Yoko Omoto🐾

櫛木作品初読み。連続殺人の罪で収監中の“榛村大和”。彼を知る様々な人物からの聞き取りによってその真の姿が徐々に浮き彫りになり、主人公にもやがてある歪な変化がもたらされてゆく。歪んだ家庭環境や子供への虐待が将来的に脳や精神に与える影響の恐ろしさや、心の隙に入り込み人の精神を思い通りに操るマインドコントロールの恐怖が、気が滅入るほど執拗に描かれる。洗脳絡みの事件は現実にも多数の例があるが、拠り所を求めすぎる、強く依存するという精神状態が付け入る隙を与えるのかもしれない。“鎖に繋がれた犬”、納得のタイトルだ。

2016/06/14

nobby

櫛木作品初読み。マインドコントロールがテーマとは知っていたが、思いのほか静かな展開に戸惑いながら読んだ。獄中のシリアルキラーから突然大学生に舞い込んだ手紙。ある事件の冤罪を証明するべく、彼や被害者の身辺を調べていくに連れ、何やら自分の周囲まで及んでいく様には引き込まれる。そして読み終わった後に、まさに掌の上で全て転がされていた現実にゾッとする…虐待や挫折・喪失等をあえて詳しく直接的に描写しない演出が、言葉という間接的な恐怖を引き立てている。

2016/07/23

utinopoti27

言葉巧みに相手の懐に潜り込み、意のままに操るシリアルキラー。実際に起きた北九州、座間、福岡のケースで、被害者たちは何故それほどまで犯人に取り込まれてしまったのか・・。本作は収監中の殺人鬼・榛村の巧妙な罠にはまり、次第に彼に魅入られてゆく一人の青年を追うサイコサスペンスだ。それにしても何という胸クソの悪さか。読み進めるほどに、得体のしれない焦燥感が心にジワジワ浸透してくる。そして待ち受ける衝撃の収束。本作が吐く毒、危険には違いないが、併せ持つ甘美な痺れは官能的ですらある。櫛木理宇の底力を如実に示した傑作。

2019/08/11

モルク

大学生雅也は、連続殺人犯大和から最後の一件の免罪を証明して欲しいとの手紙を受けとる。確かに大和がパン屋の店主だった時の客だったが、それ以上のものがあるのか。大和の悲惨な生い立ちと彼をめぐる人々を追っていくと意外な真実に突き当たる。大和がシリアルキラーということより、彼がいつの間にか人を取り込み、皆彼に憧れ彼みたいになりたいと思うところが恐怖。人に自由に選択させるように見せかけコントロールし、あたかも自分で選択したかのように錯覚させる。こういう人がいそうで怖い。実在のシリアルキラーも絡めてあって上手い。

2018/11/19

感想・レビューをもっと見る