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プレイバック / 感想・レビュー
starbro
村上春樹訳のフィリップ・マーローシリーズは全作読んでいます。本作で6作目ですが、プレイバックは未読のため、新鮮でした。有名なセリフ「男はタフでなければ生きて行けない。優しくなれなければ生きている資格がない」が本作品であること&本シリーズの最終作でかつ遺作であることを初めて知りました。本作はシリーズの中では評価が低いようですが、村上春樹の訳の巧さもあり、楽しめました。ただし有名なセリフの訳は生島治郎訳の方が良いかも知れません。村上春樹訳は自然な感じがしますが・・・最期の1作「湖中の女」も楽しみにしています。
2017/01/06
Y2K☮
例のセリフ? いやいやそれよりもマーロウの最後の一言に痺れた。清水訳より断然クール。主人公と著者の倦怠感、厭世観が霧の様に文体を覆い、減らず口もどこか投げやり。それでも要所要所で往年の冴えを見せる懸命の矜持。男は誰にも知られずに少しだけ背伸び、がいい。ところで春樹氏はこの題に納得してないらしい。私は真逆。むしろ著者の意図すら超えた奇跡と感じる。読者と「長いお別れ」をした後のアンコールだし、マーロウにとってはもう会えないと諦めていた人と・・・おっと誰か来たようだ。休日前のウイスキーみたいにのんびり味わって。
2017/01/06
まつうら
長年清水訳で親しんできたこの作品を、初めて村上訳で読んだ。やっぱり気になるのは、有名なあのフレーズだ。「タフでなければ生きていけない。優しくなければ生きている資格がない」 物語の文脈上は「タフ」という言葉にいささか違和感を感じなくもなかったが、村上訳では「厳しい心」と表現していた。エッ!? 厳しいって、それどうなのかなぁ??? 訳者あとがきによると、村上自身もあまり自信がないとあり、個人的には違和感が増してしまったと思う。原文は hard なので、現在ならばそのまま「ハード」でいいのではないだろうか?
2023/03/26
抹茶モナカ
本書がチャンドラーの遺作であると、村上春樹さんの翻訳者あとがきで知る。マーロウが簡単に異性とエッチしちゃうので驚く。ミステリーとしては、ラストまで謎が引っ張られるので、気になって読んだのだけど、一気に読まないといけない種類の本かもしれない。中断すると流れに戻るのに時間を要する。マーロウと会えるのは嬉しい。
2016/12/17
ひめ
村上春樹の訳ということで手に取った。う~ん、この本の内容について、私は女性の方々と語りたい。いろいろと疑問がある。石原さとみ演じる校閲女子だったら、「ここの記述、おかしいと思います。確認に行っていいですか?」と言いそうと思いながら読んだ(笑) 夢の切れはし云々で、ロバートパーカーのスペンサーを思い出した。
2017/01/04
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