ミレニアム5 復讐の炎を吐く女 下
ミレニアム5 復讐の炎を吐く女 下 / 感想・レビュー
Kircheis
★★★★☆ リスベットのドラゴンタトゥーの意味が明かされる。後付け理由ではあるが納得してしまう部分も大きい。 イスラム原理主義者の女性迫害の問題も、優生学研究のため不合理な扱いを受けた兄弟の話も綺麗に纏められていて作者の確かな力量を感じる。この全てが最終的に正しい場所に落ち着く感じは読んでて安心できる。リスベットがどんどんスーパーウーマン化しているのはやり過ぎだと思うものの、勧善懲悪物のアクション小説としてこの5作目はかなりレベル高いと思う。
2024/04/06
海猫
下巻も一気に読めたし、面白いといえば面白いんだが、上巻を読んで膨らんだ期待は下回るかなあ。特にリズベットは大切な人を失っているわけで、それに対する怒りもあるだろうし、もっと激しい行動に出てもおかしくない気がした。生き別れ的に育った双子の、レオとダンの出会いや関係性は興味深かったけど。終盤でバタバタと忙しく畳みにくるのはラーゲンクランツ氏の作風なんかね?双子の研究めいたことをしていた機関レジストリーは、リズベットとカミラ姉妹にも関連してそうで、次巻でもなんらかの形で出てくるのか?
2020/01/03
zero1
反撃し刑務所を出たリスベット。過去の実験と人の悪意。何か不実があれば、それを隠すためにさらなる悪事をする。人間の本質は世界共通。本シリーズは反差別と反暴力が大きなテーマ。5でもイスラム教徒の移民やロマが描かれている。3までと比較すると軽くて浅い。文字数だけでなく中身が薄い。ブブランスキーは終盤に活躍するが、エリカの出番も少なく不満。ホルゲルの重要さは理解するが、私の考えるリスベットは大聖堂でスピーチなんかしない。刺青について語られたのが救いか。次はこの作家としては最後の6。出れば読むが期待は薄い。
2019/06/22
nuit@積読消化中
今回はまさにジャーナリストでもあり、作家でもあるラーゲルクランツのミレニアムだったように思う。著者独特の膨大なデータによる細かな説明があるからこそ、物語にすんなり入れたような気もする。金融システムの脆弱性とサイバーテロ、イスラム原理主義による女性の抑圧、また原題である「自分の影を探した男」が絡む遺伝環境研究の謎等々…本当に盛り沢山ノンストップで読み終えました。続巻ではリスベットの妹との決着がそろそろみたいところです。
2018/02/12
のぶ
下巻に入り、リスベットは刑務所から釈放され、本来の活躍が戻ってきた。下巻の前半部のキーワードは双子。これを中心に様々な話が展開されていく。リスベットは、ミカエルの妹アニカと刑務所の囚人、ファリアの恋人が遂げた不審な死の真相を突き止めようとする。途中、このシリーズの他の作品同様にリスベットに危機が訪れることも。上巻でミレニアムの路線を外れたように感じたが、下巻では本来のシリーズのトーンが戻ってきて、多くの登場人物も適材の描写がなされていて、楽しく読む事ができた。
2018/04/10
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