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プラスチックの恋人

プラスチックの恋人

プラスチックの恋人

作家
山本弘
ふゆの春秋
出版社
早川書房
発売日
2017-12-19
ISBN
9784152097361
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プラスチックの恋人 / 感想・レビュー

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あも

SFは未来の事を描くけど、本当は鏡合わせの現代社会への問題提起なのかもしれない。人工知能ならぬ人工感情の技術で、ヒト以上に魅力的に振る舞うロボット。それは性産業に活用され、ついには児童型マシンによる風俗が登場する。自分自身、どうしたって嫌悪を感じるが、機械は苦痛を感じたりはしない。それでも児童虐待?それは悪?その施設を忌み嫌いながら取材のため少年型マシンを体験する女性ライターを通し、機械とヒトとは、意識とは、魂とは…つまりは生命とは何かに挑む。命持たぬ物を愛する。身勝手な投影だとしてもそんな人間が愛しい。

2019/05/31

Akira

★★★★ 思ってたのと違っ…いや、この表現は失礼だ。山本弘はいつも想像の何段階も上をいく。その上論理的でディテールまでしっかりしていて、いつのまにかフィクションだと忘れては、近い将来の事実として受け止めている。そう、自分では思ってもいなかった未来を見た気になる。この物語もそうだった。しかも、読んだ山本弘作品の中で最も現実化が近い気がする。AI やAC (人工意識)の発展は必然的にゲームや性産業へ影響を及ぼすだろう。そこに幼児虐待や差別問題などを絡めて来たところが流石と言うしかない。美里の主張が弱いのも納得

2018/05/01

りんご

うあー!面白かった!マイナー・オルタマシン、未成年の少年少女の姿をしたセックス用アンドロイド。AI(人工知能)の先、AC(人工意識)を備えており、ARゴーグルを装着することで視覚情報はコントロールできる。オルタマシンはヒトではないのだから幼い容姿だろうと性的虐待でもなんでもない。とはいえその描写はどうしたって(なんかダメ)。折り合いつかんよね。プロローグのエロさを完全に排除した性行為のグロテスクさ。そして後半、とうとうオルタマシンとのセックス。めっちゃくちゃエロい。マシンだから疲れ知らず。ああ語りきれん。

2024/03/10

姉勤

愛とは粘膜のみせる幻想、とは誰の言葉か。近未来、アンドロイドをして性風俗を可能せしめる社会で、何の因果か少年型のそれとのマグワイを記事にするよう依頼された女性ライター。生理的嫌悪を抱えつつ、取材を進めるうちに見えてくるもの。ポルノの部分、認識の部分での閲覧注意は個人の判断で。さて、「特定」の行為における肉体というハードウェアを駆使した内心の自由が、タブーや犯罪になるのなら、その先の脳に直結した擬似信号だけであるなら合法か?そもそも法とは?現在の正義、正解の矛盾というか欺瞞。しかし、本書のマシンは菩薩だね。

2023/08/31

信兵衛

好み次第によるかと思いますが、私としては未来社会におけるアンドロイドへの興味と、この問題への大いなる関心により十分楽しめました。

2018/01/31

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