KADOKAWA Group

Facebook X(旧Twitter) LINE はてブ Instagram Pinterest

君の話

君の話

君の話

作家
三秋縋
紺野真弓
出版社
早川書房
発売日
2018-07-19
ISBN
9784152097828
amazonで購入する

君の話 / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

K

これはどうしようもなく"嘘"の物語だ。新種の病に対する療法に端を発して、人工的な記憶である「義憶」が普及した世界で、主人公は存在しないはずの幼なじみの影に翻弄されることになる。運命や偶然によってもたらされる幸福は何処と無く嘘臭くて偽物であるように感じてしまう。だけど本物と偽物の両者には本質的な違いはないのかもしれない。その出会いを逃せば、欠落感は一生付きまとう呪いになるだろう。逆にその出会いを受け入れられれば、それは最良の可能性の実現に他ならない。義憶とは世界で一番優しい嘘のことだ。

2018/10/06

のんき

どんな人にも、あなたにも、わたしにも、最低でも一人は、運命の相手がいます。その相手は、恋人となるべき相手かもしれないし、親友になるべき相手かもしれません。その相手は、電車の座席にあなたが座った隣の人かもしれないし、交差点で、今すれ違った人かもしれません。映画やテレビドラマだけの世界だけではなく、わたしのすぐ身近に運命の出会いがあると信じたいな!そして、その出会いを逃さないようにしたいです

2019/03/15

おたけஐ೨💕🥒🍅レビューはボチボチと…

84/100点 以前から読みたいと思い何冊か積んでいるのですが読めなくて、この作品が初読みの作家さん。人工的な記憶の導入や記憶の抹消の技術が存在する社会を舞台したSFの要素を含んだ恋愛小説。その義憶という設定も良く考えられていて面白く読めました。最初は主人公の千尋の性格や言動に共感出来ず若干イライラしましたが、途中B面の灯花視点になった辺りから状況が解明されて来てあとは一気読みでした。読み終わってホントあらすじに書いてあった通りの、出会う前から続いていて始まる前に終わっていた恋の物語でした、切ないです。

2018/08/24

ユザキ部長

僕らの身体や脳は必ずどこか欠けている。未来は変えられるし過去も変えられる現在。義憶として補っていたつもりなのに記憶とない交ぜの記憶に頭が混乱する。多分記憶って文章化出来ても感情は言葉に言いあわせるのに困難だから。それ故に僕も彼女も苦しんだ。その人生を狂わせる究極のウソ。僕は僕の。君は君の幸せをもう少し信じてみてもいいんじゃないかな。そう祈る。

2019/02/21

香堂満月

思いのほか読むのに時間がかかってしまった。いったいこの中で何回、出会って再会して別れて、を繰り返しただろう。義憶とまでは行かなくても、きっと将来的に記憶の補完や除去は出来るだろうし、なんなら今の人たちそれぞれが勝手にやってるだろうとも思う。寂しさを埋めるための義憶って、どう見積もってもただたださみしいなと感じた。あったことをなかったことにするよりも、なかったことをあったことにするほうが絶対哀しいと思う。千尋と灯花には「初めまして。お久しぶりです」(敬語重要)って言う挨拶がしっくりくるなと個人的に思った。

2018/07/30

感想・レビューをもっと見る