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不見【みず】の月 博物館惑星2

不見【みず】の月 博物館惑星2

不見【みず】の月 博物館惑星2

作家
菅浩江
十日町たけひろ
出版社
早川書房
発売日
2019-04-18
ISBN
9784152098597
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不見【みず】の月 博物館惑星2 / 感想・レビュー

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あおでん@やさどく管理人

前作の単行本刊行が2000年なので、実に19年ぶりの続編ということに驚き。カタカナ人名は少し苦手で、しかも芸術論のような分野には疎い自分だが、キャラクター造形とストーリーがしっかりしているので、文章がスッと入ってくる。特に5章の、いわゆる「何でもアリ」の芸術を突き詰めることに対する説明に納得。健の叔父をめぐる謎は解けなかったが、続きは現在連載中とのこと。Ⅲも出たら読みたい。

2019/07/07

ぽんすけ

1作目の主人公孝弘が脇に回り、今作は警備VWAの新人兵頭が主人公。情動学習型システム「ディケ」の接続者として共に人間の心の動きについて学んでいくというもの。一作目と同様、世界観を構築するのは博物館惑星という人工惑星と、女神たちを名前にもつデータベース、及びそれに直接接続できる人達。技術的には限りなくSFなのに、扱うテーマは「美」。今回も様々な人たちの視点から人間にとって心動かされる美とはなにか、芸術性とは何をもって見なされるものか追及されている。読んでるうちにこれはSFというより思想・哲学の枠だなと思った

2021/03/25

信兵衛

シリーズ第2弾。健の叔父である兵藤丈次の行方、健&尚美コンビのさらなる活躍が描かれるであろう、シリーズ第3弾が楽しみです。

2020/09/29

geshi

一度完結した話を別主人公で始めるとなると方向性の違いをどうしても感じてしまう。美術にまつわる事件を新人警備員という外側に近い目から見ていくミステリ色強めのストーリー。エンタメ性をより強調したキャラクター小説みたいな路線で進むが、このシリーズに求めているのはそこじゃない感。主人公とAI〈ディケ〉とのやりとりが杓子定規なものから徐々に人間味を持っていくのが微笑ましくも楽しい。一番良かったのは表題作で、遺作に手を加えた動機とタイトルの意味あいの反転が美しい着地点。

2021/05/04

はやしま

第41回日本SF大賞受賞の報道で続編が出ていることを知りまずIIを手に取る。表題作が第51回星雲賞日本短編部門受賞。新人警備員兵頭健は、接続先の〈ディケ〉(正義の女神、健は〈ダイク〉と呼ぶ)に人間の感情について教え育てる。相棒の〈アポロン〉所属の尚美シャハムとともに芸術に纏わる事件に対処していく。前作の主人公の田代孝弘が二人の上司とは。孝弘と〈ムネーモシュネー〉のやりとりが懐かしい。ただ19年前に比べワクワク感は薄かった。19年前とのICT環境の違いか、単に物語の設定のためか。読むのにも時間がかかった。

2021/03/08

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