ウルトラマンティガ 輝けるものたちへ
ウルトラマンティガ 輝けるものたちへ / 感想・レビュー
Bugsy Malone
テレビでは描かれなかったTPC創設以前から最終話まで、クトゥルー神話を取り入れた著者の脚本作品を主軸に構成した光の巨人総集編。イルマ隊長が少女の頃から抱えていた漠然とした不安、それを裏付ける古代人のメッセージ。科学の進歩と共に頻発する宇宙人と怪獣の出現の後、遂に人類終焉の時が迫り来る。巨人でさえも敵わない闇、絶望と苦悩、もはや人に抗う術は無いのか。放映時、子供と行ったウルトラマンフェスティバル、小さかった長男もティガと共に光となりました。そう、「人間はみんな、自分自身の力で光になれるんだ。」
2019/08/04
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【「苦労なんか幾らでもまた出来る。生きていればな」(P.372)】そうか。頑張っているから生きる権利があるんじゃない。生きているから、頑張れるんだ。澤井さんは国連事務総長として、TPC総監として、そんな世界を作ろうとしたのかもしれない▼ちなみに、予想外に「あの神回」の分量が多くて感激しました。ただ、錦田景竜も出てくれれば、大悟の孤独をより際立たせるエピソードが増えたかな、とも思ったり。
2019/06/23
qoop
TVシリーズを補完しつつ若干変更を加え(例えばユザレのタイムカプセルを大梧が開けるなど)図式を整理し直して書かれたノベライズ。とはいえ全体としてあらすじを越えるものではなく、分量と比べて読み応えは薄い。そもそもの企画がシリーズ全体の小説化だと聞けば納得するしかないのだが。ルルイエの隆起とガタノゾーア戦に焦点を絞るなど、小説ならではの提示の仕方があっても良かったのではないかと思わないでもない。
2019/06/29
たけぐる
ウルトラマンティガ本編のノベライズ本。GUTSやTPCの結成秘話に大きくページ数が割かれているのが特徴。物語の主人公を入間隊長に据え、怪獣が現れるまでの不穏な雰囲気を描き出している。基本的にダイジェストであり、描写が乏しく脚本みたいだなと感じるところは多々ありました。ただ子供の頃に目を輝かせて夢中になった頃の気持ちを思い出しました。しかし改めてキリエロイド→イーヴィルティガ→ゾイガー→ガタノゾーアに至る物語の運び、決着のつけかたは素晴らしいと感じた。人は自分自身の力で光になれる!
2020/04/08
集積屋
『人間はきっと、自分自身の力で光になれるんだ』–あの時願った未来とはまるで違う今を生きる自分たちに、改めて提示される光と闇の物語。イルマ隊長の…いや、最初はなんと三浦少年の視点から描かれるTPC世界の情勢を架空の経路を辿った近現代史として捉えた前日譚、そしてそこに現れる、平凡で善良で、それ故に光になった青年。多くの人が語り、故に大きな新しい情報の開示などがあるわけではないが、しかしそれ故に小中氏がこの物語を再話することに意義がある、そのような一冊だった。 -『君も、なれただろ?光に』
2019/07/25
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