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クララとお日さま

クララとお日さま

クララとお日さま

作家
カズオ・イシグロ
土屋政雄
出版社
早川書房
発売日
2021-03-02
ISBN
9784152100061
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クララとお日さま / 感想・レビュー

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starbro

カズオ・イシグロは、新作中心に読んでいる作家です。ノーベル文学賞受賞第一作の本書は、AF(Artificial Friend;人工フレンドの略、太陽光発電で動くAI機能を持つ人工知能搭載ロボット)SFファンタジーの秀作でした。思ってるほどロボットの技術は進んでいないので、こういう世界は50年後位かも知れません。 https://www.hayakawa-online.co.jp/new/2020-06-16-220515.html

2021/04/26

zero1

イシグロは【追憶の作家】。本書も同じだが階層社会と【祈り】を描く(後述)。誰かが他人を想う時、結果だけがすべて?それは違う。祈ることが崇高で大きな意味を持つ。AI搭載のロボット、クララは病弱なジョジーのAF(人工親友)に。文学の大命題は【人とは何か】を描くこと。イシグロは人でないクララの視点でそれを描く。400ページを超える長編だが、もっと読んでいたい。作品世界にもっと浸りたい。そう思わせる作品。読んで損なし。英米日など3月2日に世界同時発売。イシグロと同じ時代に生きていることを幸福に思う。

2021/03/27

tokko

優秀なAI(アンドロイド)と不完全な人間を描くことで「人間らしさとは何か?」という問いを、これまでのSFでは度々取り上げてきました。けれど本作ではもっと突っ込んだところまで問いを深めます。「突き詰めれば人間とは情報の集積なのではないか?」という問いに、今の人類は「イエス」とも「ノー」とも答えられません。でもクララは彼女なりの答えを見出します。近未来の、高度に発達した科学技術社会が描かれているはずなのに、どこかノスタルジックな情景が目に浮かぶのはさすがカズオイシグロさん。やさしい文体で上品なSFです。

2021/03/23

Sato19601027

エゴ・格差・差別・喧噪、人間の社会は実に醜い。この物語の主人公はAIロボットのクララ。思春期の子供達の友人としてプログラムされた人工親友(AF)だ。世の中を観察し、人に寄り添い、お日さまに祈りを捧げる。自己犠牲の精神を持ち、勇気もある。クララの純粋な心を通して見ると、人間の醜さが一層、際立つ。少子高齢化が進み、子供の世界や介護の世界にAIロボットが進出する日も近い。ロボットが心を持つ近未来社会は、クララが願うような光に溢れる平和な世の中になっていて欲しい。(カズオ・イシグロのノーベル文学賞受賞後第一作)

2023/11/29

青乃108号

近未来。AFと呼称されるアンドロイドが多く製造され、多くの家庭でそれぞれの役割を与えられ家族と暮らす、そんな時代の物語。AFのクララは病気がちの少女、ジョジーに見いだされ彼女の家庭に入る。隣家にはボーイフレンドのリックがいる。2人は幼いながらも将来を約束し合うのだが、ジョジーの容態は次第に悪くなり…そんな中、クララは知る。ジョジーの母親がクララを迎えた恐るべき理由を。クララは神でありエネルギーの源である太陽に必死に祈る、どうかジョジーを治してくださいと。クララが忘れられなくなる、優しい物語。俺は大好きだ。

2024/10/17

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