三体III 死神永生 下
三体III 死神永生 下 / 感想・レビュー
青乃108号
次から次へと押し寄せる、怒涛の展開に読む事を止められず。丸1日かけてようやく読み終えた。読んだ、と言うより【体験した】と言う方が正しい気がする。想像だに出来なかった宇宙の本当の大きさ、恐ろしさを目の当たりにしている様な驚くべき描写力。圧倒的スケールの物語、ようやく辿り付いた終着点には万感の思いが。その情報量の多さ故、全巻読破にはかなりの時間とエネルギーを要するからもう二度と読めないとは思うけれど、読んだ記憶は生涯忘れない、凄い本だと思いました。
2022/11/22
パトラッシュ
(承前)まさにセンス・オブ・ワンダーの極北! SF作家の想像力がここまで及んだのは手塚治虫の『火の鳥未来編』以来か。第1巻冒頭で父親を虐殺された葉文潔の絶望が、全人類の消滅という円環の結末を迎えた。英語版題名の「死の終り」とは、あがき続けた果てに死という概念すら消し飛んでしまうからなのか。カード大の1枚の紙と思われた二次元空間が全太陽系を飲み込み、程心と関一帆が1890万年も先の世界に残されるラストは壮絶だ。唯一、2045年に迫るとされるAIの発展によるシンギュラリティが言及されていなかったのは残念だが。
2021/06/30
ひさか
2021年5月早川書房刊。シリーズ5作目最終巻。雲天明が書いたおとぎ話の解釈から始まり、ある意味無茶苦茶な展開に突き合されて、しかしラストではいつのまにかヒロイン、ヒーローになった二人とアンドロイド智子が新しい世界に到達する大団円につきあわされるという体験は貴重です。荒唐無稽過ぎて、ほら話、詐欺本ちゃうかとも思いますが、いやいやこれこそがセンス・オブ・ワンダーの極致、三体世界から始まった宇宙の終わりと始まりを示した物語なのだとも思えます。いずれにしても読み終わるとあっけにとられますなこの上下巻は。
2021/07/21
absinthe
とうとう終わってしまった…。これだと続編は難しく、創世記のアダムとイブに続くと言った塩梅か。大きな風呂敷はとうとう200億光年を超え、壮大に広がった。いつまでも読んでいたかったが本書にも終わりがあったのか。死神永世は個人にスポットが当たらず、最後の歴史語りが多くなったのが玉に瑕だが。それでも満足した。最近の宇宙論は開いた平坦な宇宙が主流だと思っていたが、『タウ・ゼロ』を彷彿とさせるビッグクランチを想定した懐かしい宇宙観。それにしても壮大だ…。なんとアイデア豊富な作家なんだろう。
2021/10/27
まちゃ
三部作、ついに完結。面白かったです。読む手が止まらず早朝から一気読み。本作は二代目の執剣者・程心が主役。次元攻撃での地球文明と太陽系の滅亡。初期宇宙は十次元で真空中の光速は無限大近くだったが、暗黒森林の生存競争で今の姿になったとか。驚きのアイデアが満載。宇宙では、存在を知られた文明は攻撃される。修羅場で救いがないですが、壮大なSF作品でした。
2021/07/17
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