インタヴュー・ウィズ・ザ・プリズナー (ハヤカワ・ミステリワールド)
インタヴュー・ウィズ・ザ・プリズナー (ハヤカワ・ミステリワールド) / 感想・レビュー
starbro
皆川 博子は、新作中心に読んでいる作家です。著者作家生活50年目の集大成、エドワード・ターナー三部作、二作目です。第二部の『アルモニカ・ディアボリカ』を読み逃しているせいか、何となく読了しました。 いずれにしてもこれで、完結なのでしょうか? https://www.hayakawabooks.com/n/n592467abb717
2021/07/20
nobby
いつか、会おう。最後の手紙の結びが何とも哀しくて切なくて…そして三部作の終焉の余韻に暫し浸り続ける今…それにしても、独立戦争真っ只中のアメリカを舞台に囚人エドへのインタヴューから始まるとは予想外!調査・犯行と2つのパートでの構成に、あまりリンクのない序盤は結構苦戦…そんな中でクラレンスからバートンズな面々に向けた想いをフッと目にするのが実に感傷的…徐々に明かされる壮絶な原住民達の戦闘そして末路…陰謀に加担した悪党どもが成敗される安堵はあれど、暗澹とした予感のまま自虐や悲愴を抱えて迎える宿命が痛々し過ぎる…
2021/10/06
ちょろこ
随所で心がチクチク痛む一冊。18世紀。独立戦争、先住民族との対立を描き盛り込まれる争いの愚かさ、クラレンスのバートンズの追憶、アルへの心の語りに随所で心が痛む。それもごく細い小さな針で刺されるかのように。クラレンスがエドに抱く想い。そしてその想いはそのまま読み手のエドへの想いへ追憶へと重なり一番チクチク痛んだ。終盤はじっくりと謎と物語の行く末を追い、誰もの心を思い描き、寄り添いたくなるほど。エドは心に孤独をずっと抱えていたのかも。その孤独もようやく今消えた、誰もがエドの心を掴んだ、そう思いたい。涙の終幕。
2021/08/14
榊原 香織
あれ~?エドとクラレンス、なんで独立戦争のきな臭いアメリカに王党軍下っ端で参加してるの? ”開かせていただき光栄です”では18cイギリス、解剖学教室の医学生、バートンズの一員として事件に巻き込まれてましたっけ。 あれもすごかったけど、これも読ませます。 ニッチな世界をリアル感たっぷりに。歴史ミステリ。 91歳、今年の最新作。恐れ入ります。
2021/07/09
雪紫
「開かせていただき光栄です」「アルモニカ・ディアボリカ」からなる完結編。だが 、バートン先生もサー・ジョンも楽しい回想や手紙の言及しか出て来ない。だからこそ辛い。侵略者にとって、先住民は何しても良い、言うなれば人以下の存在。それゆえの恐ろしさと哀しさ、愚かさ(当時の関係者がこれを読んだり現代を見ればどう思うんだろうな)をかなり描いてるし、ミステリ部分も一部分は当たったものの手記を始めとした先へ先への引き込まれ具合も凄まじい。黒幕の末路には失礼ながらスカッとしたものの、その後が、ああ・・それしかないのか。
2021/09/13
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