最悪の予感: パンデミックとの戦い
最悪の予感: パンデミックとの戦い / 感想・レビュー
パトラッシュ
パンデミックで危機が迫っても、官僚組織は自らのメンツと権限を守ることを優先する。新型コロナ対策で権威面している米CDC(疾病対策センター)も実際は鈍重な動きしかできなかった。国民の生命よりも大統領の機嫌取りを優先し、ポリコレで批判されるのを恐れ政治的に正しく振る舞ったため有能な専門家や必要な情報が使われない事態を招いた。そんな上層部に愛想をつかした現場の公衆衛生担当者が、良心に従って政治の失敗を補おうと奮闘する。「経験とは同じ間違いを繰り返すうちに自信を深めてしまうこと」とは全人類が噛みしめるべき言葉だ。
2021/12/30
KAZOO
マイケル・ルイスの作品ということで手に取ってみました。この本を読んで気づくことはやはり広い国で日本のように一律的なことを行うのは難しいのでは、ということをまず感じました。それでもアメリカででも公共的な組織というのは官僚的なのですね。もう少し融通性があるのかと思っていました。この本ではその官僚制に対抗しようとする人物たちが結構すごい役割を果たしているというのがわかりました。日本の場合はやはりおかみに頼る傾向があるのですね。
2022/09/12
Panzer Leader
金融やスポーツを舞台にしたノンフィクションの第一人者が世界的コロナ蔓延の中、一番の感染者・死亡者を出してしまったアメリカのコロナ対策の失敗の本質を鋭く抉る。何の対策もしていなかった様に思われるが、しかし15年以上 前から一部の市井の人々によって立派なパンデミック対策計画が練られていた。しかし彼ら優秀な現場の努力は無能・無理解・事なかれ主義のトップ(ホワイトハウスや州政府・CDCなどの官僚組織)に取り上げられなかった。コロナ危機がまだ終わっていない今こそ読むべき極上のノンフィクション。
2021/11/18
Willie the Wildcat
政治・官僚主義の齎す合従連衡。唯一の例外が、CDCリサ。公式出版物の表紙に、小さな文字でTLC!対照的にぶれない信念で結びつく私的連合軍。果ては起業。印象的なのが、”成功体験が失敗体験となる”2009年の豚インフル。様々な転機の中、ウルヴァリンズ会議でのクチネリの決断力は、もれなく大きく転機。所詮、旗振り役と行司の有無。求められるのは胆力!一方、再認識する政権交代による一貫性不備。象と驢馬、政治哲学・力学を超えた言動を求めるのは自然も、現実解ではない。『パプリック・ヘルス・カンパニー』、注視します!
2022/09/06
星落秋風五丈原
今回ワクチンはこないわ、検査のしくみは決まらないわ、初めてのことだといってもひどくないか?と散々政治家達の的外れ政策に文句を言ってきた。しかし海の向こうの大国も酷かった。何しろトランプ大統領だから。「ええっいいの?」っていうくらいマスク外して…と思ってたら感染者になったり。ぽつぽつと優秀な人材はいて、それぞれいいアイデアを持っているのに点と点を繋ぐ線になるべきツール&人がいない、堅い頭の上司に阻まれるなどしてうまくいかない。日本の感染対策もなってないなと嘆いていたが、アメリカも似たような事で悩んでいた。
2021/12/22
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