KADOKAWA Group

Facebook X(旧Twitter) LINE はてブ Instagram Pinterest

この道の先に、いつもの赤毛

この道の先に、いつもの赤毛

この道の先に、いつもの赤毛

作家
アン タイラー
小川高義
出版社
早川書房
発売日
2022-03-16
ISBN
9784152100917
amazonで購入する Kindle版を購入する

この道の先に、いつもの赤毛 / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

アン

ボルティモア郊外でアパートの管理人とコンピュータの便利屋をして暮らす43歳マイカ。独身で人付き合いは少なくマイペースな日々を送る彼ですが、ある日息子を名乗る青年が訪ねて来てから変わり映えのしない日常に変化が…。マイカが呼ばれる食事会の場面が印象的。彼は家事も手を抜かず仕事にも誠実で優しい心の持ち主ですが、いつも人との距離感を保ち、自分を守って型にはまりこんでいるような。そんな彼が大切な事に気づき、勇気を持って新たな道へ踏み出す様に温かいものか込み上げてきます。マイカの未来が素敵な愛で満たされますように。

2022/08/03

ヘラジカ

アン・タイラーは取り立てて個性的な作風というわけでもない。それでも読み始めてすぐに大好きな作家であることを思い出せる良さがある。いたって平凡で、現実の人間が大体そうであるように善良で、仰々しくはないものの他者との関係性に深刻な悩みを抱えている。そんな中年男性をシンプルかつナチュラルに描いた作品だが、いつも通り優しさに満ちた作者の眼差しが、読み手の心をほんのりと温かくしてくれる。極めて読みやすい文章なのに名人芸のようなテクニックも感じさせる逸品。意識していないだけで自分にとって今一番必要な作家かもしれない。

2022/03/16

天の川

独り者でマイペース、仕事は誠実、ルーティンを崩さない中年男。常識的な人だけれど、人との関わりが淡白というか、去るものは追わずというか。突然現れた少年を追い返しもせず、何となく受け容れながら常識的な対処をするのは、そんな彼だから。少年をきっかけに崩れていく日常…いつものように受け流しつつも、変わってゆく彼の心の在りようが何とも良い。ラスト、何だかジンとしてしまった。頑張ったね~、マイカ。

2022/06/08

pohcho

43歳独り暮らし、ITの便利屋をしているマイカ。朝はランニングに始まり、シャワー、朝食、片付けと彼の日常は決まり切った繰り返しでできている。つきあってる彼女はいるけど結婚する気はなし。変わらない日々がずっと続いていくのかと思いきや、ある日自分の息子だという青年が現れ(勘違いなのだが)彼女にもフラてしまう。ペースを崩されてしまったマイカはまわりまわって最後に一歩踏み出すことになり、その場面がなんとも言えず素晴らしかった。「いつもの赤毛」の正体も可笑しい。とてもユーモラスで味わい深い作品。

2022/04/26

minami

アン・タイラーの作品は大好き。久しぶりに読んで、やっぱり期待どおりで嬉しかった。43歳のマイカ。彼はボルティモアでコンピューター関係の便利屋。付き合っている彼女あり。彼は毎日のスケジュール(ランニングや掃除)を分単位できっちりとこなす。几帳面で偏屈なのかと思うけれど、近所の老人に対しての思いやりとか、便利屋として顧客とのコミュニケーションも意外に無理なくこなす。それでもやっぱり一人が好き。そんな日々を過ごすマイカにある青年がやって来てから、少しずつ変化していく様子がとても良かった。自分を変える勇気も大切。

2022/05/26

感想・レビューをもっと見る