小さき王たち 第一部:濁流
小さき王たち 第一部:濁流 / 感想・レビュー
ミカママ
学生運動の残り香もあった時代、同じ学舎で過ごしたふたりが、新潟の地で「選挙」という大舞台において再会を果たす。王「たち」というからにはこのふたりはそれぞれの立場でゆくゆくはトップに立つのか。時代は違うにせよ、全国紙の記者として赴任している高樹、堂場さんご本人を投影しているのだろう、とワクワクしながら読んだ。今作で完結してもおかしくない充実の内容ながら、ちゃんとぬかりなく積んでいる(笑)ので、このまま一気に三部作行くことにする。
2023/12/12
旅するランナー
新聞記者対政治家。これに県警·財界が絡んで、新潟に激震が走る。一つの記事が人生を変えてしまうのか? 幼なじみの男たちが追い詰め、苦悩し、対決する。さすが元新聞社勤務だけあって、細かい描写が現実味を帯び、熱量を伴う。そして、1971年の新潟が目の前に現れてくるようだ。堂場イズムの本領を発揮した本作。この因縁という名の濁流が、どれだけ激流になっていくのか、第二部が早く読みたい。
2022/07/17
starbro
堂場 瞬一は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。 著者作家生活20周年記念超大作は、政治報道家族大河小説三部作でした。私の地元、旧き良き?新潟を舞台にしているので、親近感が湧きました。7月の第二部&10月の第三部を楽しみにしています。トータルの感想は第三部読了後に。 https://www.hayakawabooks.com/n/ne8cd432728f9 5月は、本書で読了です。
2022/05/31
いつでも母さん
政治と報道をめぐる三部作のスタート『濁流』時代は1971年。幼馴染みの2人、高樹は新聞記者、もう一人は新潟選出の与党政調会長を父に持ち今はその秘書を務める田岡だ。衆議院新潟選挙区におけるあれこれ・・妙にリアルだった。高樹の青臭さと、父より中央の与党幹事長に見込まれた田岡の対比が面白く今後に期待を抱かせる。ここでハッキリしたのは二人共伴侶には恵まれたようだ。これから相容れない2人の道にはどんな茨が待っているのだろう。楽しみでならない。それにしても警察はこれでいいのか?第二部『泥流』を早く読みたい。
2022/05/23
あすなろ
堂場氏の描く大河政治小説第一弾。冒頭のもどかしさ除けば無類に面白かった。本作は政治小説的側面だけではなく、幼馴染の新聞記者と新潟という地方等、それらが堂場氏らしい心理描写がふんだんに遣われる事で相まって面白い政治小説として培われていると思った。次巻からまたどうなっていくのだろう。前作の初である政治小説を読了した際、ここまで堂場氏に政治小説が合うとは思っていなかったと感想を書いたが、それをベースに更に魅力的な大河政治小説となる事を大いに期待してしまう。
2022/07/15
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